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都市とITとが出合うところ 第92回 CAADRIA 2022シドニーでの帰国準備

写真1 CAADRIA 2022国際学会。(1枚目)オープニングセレモニー。パワーハウス博物館で対面とオンラインのハイブリッド方式で開催された。(2枚目)現地参加者による集合写真。

写真2 シドニーオペラハウスのオリジナル設計図とオリジナル模型の見学会。

CAADRIA 2022国際学会:シドニーに到着

先月号に引き続き、2022年4月、第27回 CAADRIA 2022国際学会(アジア・オセアニア地域をホストとする建築・都市設計のコンピュータ応用に関する国際学会)に現地出席した時の模様である。

本稿では、シドニー現地での帰国準備と学会の様子を紹介したい。

オーストラリア出国前72時間以内のPCR検査

オーストラリアから日本へ入国(帰国)するためには、オーストラリア出国前72時間以内の新型コロナウィルス検査証明書が必要である。厚生労働省が指定するフォーマットで書かれた検査証明書の提出が強く求められており、これに対応してくれる医療機関PCR検査機関を現地で探す必要がある。

東京からの深夜便でオーストラリアに入国するや否や、帰国の手配をはじめないといけないのは少々億劫であったのだが、上記に対応してくれそうな医療機関を探した。

医療機関で予約をして、医師の問診をオンラインで受けた結果、PCR検査の指示書をメールで送ってもらえた。

PCR検査指示書をプリントアウト

PCR検査は別の機関で行われるため、医師からの指示書をプリントアウトして持参する必要があった。

シドニーのコンビニは、日本のように印刷サービスはなさそうである。そこで、Googleマップで「printing」と入力して検索するといくつかの印刷サービスが見つかった。Googleマップでは、あるエリアの印刷サービスを表示してくれるだけでなく、現在営業中かどうか、ユーザーの評価はどうか、などでフィルタリングすることができる。

印刷作業はCAADRIA学会に参加しながら行う必要があり、会場近くにある、個人経営の印刷屋さんで印刷してもらった。

PCR検査

PCR検査機関は朝7:30から営業開始。ホテルから路線バスに乗って、検査機関に到着すると、同じような境遇の人たちが、開店前のスーパーみたく並んでいた。

PCR検査を終えると、厚生労働省の指定フォーマットで書かれた陰性証明書がメールでその日中に送られてきた。この証明書もまた、プリントアウトする必要があった。

ここで強く感じたのは、現地でコロナ陽性結果が出た場合には、以降のスケジュールが大きく変わってしまうことである。

オンラインチェックインとMySOSの登録

帰国する空港(今回は羽田空港)では検疫手続きを行う必要があるが、アプリ「MySOS」に事前登録しておけば、手続きが速くなる(ファストトラック)。

そのため、MySOSアプリのインストールした上で、質問票、誓約書、ワクチン接種証明書、出国前72時間以内の検査証明書を登録した。アプリの画面が最初は赤色であるが、事前審査が完了すると緑色になる。

この中で、質問票では、日本到着日、利用航空機の会社名と便名、座席番号などを入力する必要がある。そのため、MySOSで登録するより前に、飛行機のオンラインチェックインを済ませておいた方がよりスムーズである。

ここまでの登録をシドニー現地で終えると、あとはシドニー国際空港でチェックイン、搭乗となる。

CAADRIA 2022学会の様子

CAADRIA 2022が開催されたシドニー現地会場には、筆者ら日本、開催国であるオーストラリアの各都市の他、確認できた範囲ではあるが、米国、シンガポール、ドイツ、スイスなどから参加されていた。学会全体としては、オンライン参加者が圧倒的に多く、492名であった。

CAADRIA国際学会は、1996年より年次大会が毎年開催されてきた。コロナ禍となった、2020年、2021年はそれぞれ、主催者を務めたバンコク、香港のチームが現地の雰囲気を伝えていたものの、海外からの現地参加は見込めなかったため、研究発表の方式はフルオンラインであった。少々否定的な書き方をしたかもしれないが、フルオンライン発表自体を初めて行うことにより、休止することなく、開催できたのである。

そして、シドニーチームが主催者を務めた今年は、発表のプラットフォームをZoomウェビナーとして、対面参加者とオンライン参加者のニーズに合わせた、初めての本格的なハイブリッドカンファレンスとなった(写真1)。

現地に参加して貴重な経験は、筆者らのチームによる研究発表、他の研究者や学生の研究発表の聴講やそれに関する議論に加えて、参加者との新たな出会い、再会や、彼らとの語らいである。加えて、シドニーオペラハウスのオリジナルの設計図とオリジナルの模型を見学できたことも挙げておきたい(写真2)。