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福田知弘の公式ブログです。

都市とITとが出合うところ 第91回 CAADRIA 2022シドニー現地をめざして

ゴールデンウィークいかがお過ごしでしょうか?

「都市とITとが出合うところ」第91回は「CAADRIA 2022シドニー現地をめざして」をお届けします。

CAADRIA 2022国際学会

第27回 CAADRIA 2022 国際学会(アジア・オセアニア地域をホストとする建築・都市設計のコンピュータ応用に関する国際学会)は、シドニーにある3つの大学の共同ホストにより4月中旬に開催される。できればシドニー現地で発表して、現地に集まる仲間と交流したい。

日本から出国してオーストラリアに入国できるのか、また、オーストラリアから出国して日本に再入国できるのか、状況をチェックしていった。

シドニー現地に行くべく、執筆時点(2022年4月上旬)の様子をお知らせしたい。

オーストラリアへの入国について

オーストラリア政府は、2022年2月21日より、有効なビザ(査証)を持つすべての人に対して国境を開いた。新型コロナウイルスワクチンの2回の接種完了が必要とされ、入国後は各州の規制に従う必要があるものの、2月21日以降は全世界から観光客がオーストラリアを訪問することが可能になった。

日本国籍の方は、以下の条件を満たせばオーストラリアに入国できる。

  • ワクチン接種を完了している。
  • 有効なオーストラリアのビザを保有している。
  • ワクチン接種の状況を証明する内容を提供できる。
  • DPD(Digital Passengers Declaration:デジタル乗客宣言)に登録している。
  • 出発前72時間以内に行ったPCR検査の陰性証明書を提示できる。

上記の手続きを済ませ、出発前にPCR検査が陰性であれば出国できる見通しとなった。

日本への再入国について

日本政府は、2022年3月1日より、待機期間・待機場所については、7日間待機を原則としたうえで、「3日待機指定国」からの入国か否か、条件を満たした有効な新型コロナワクチン接種証明書を所持しているか否かによって、入国後の待機期間と待機場所が大幅に変更された。

オーストラリアから日本へ帰国する場合、「3日待機指定国」ではないため、ワクチン3回目追加接種者は、入国後の自宅等待機は求められないことになった。

一方、ワクチン3回目を接種していない方は、原則7日間の自宅等待機が求められ、入国後3日目以降に自主的に受けた検査の結果が陰性であれば、その後の自宅等待機の継続は求められない。

ワクチン3回目を接種すれば、帰国後の活動は通常通りできる見通しとなった(前提:PCR検査で陰性)。

ワクチン3回目接種とアプリでの接種証明書発行

ワクチン3回目接種を済ませ、3回目を含む接種証明書をスマホアプリ「新型コロナワクチン接種証明書アプリ(以下、接種証明書)」で取得した。

海外向けの接種証明書を発行するためには、マイナンバーカードとパスポートが必要である。さらに、証明書を発行するためにはマイナンバーやパスポートの番号を入力するだけでは不十分で、マイナンバーカードやパスポートの実物が要ることを知った。マイナンバーカードやパスポートの実物に埋め込まれたチップと、「接種証明書」アプリがインストールされたスマホが直接出会うことで認証され、証明書が発行される仕組みである。

3回目接種は、1・2回目と同じく職域接種としたため、アプリで証明書が発行できるまでに4日かかったが、書面で発行してもらうよりも手間暇は圧倒的に少ない。市町村接種の場合は、接種から証明書発行までの時間はもっと短いかもしれない。

オーストラリア・ビザの申請

オーストラリアのビザ・ETA(Electric Travel Authority :電子渡航許可)の取得方法は、上記の接種証明書と似ている。

以前はPCのウェブサイトからでもETASを申請できたが、スマホアプリのみとなった。本人が、スマホアプリ「Australian ETA」で申請する。

申請プロセスでは、パスポートをスマホカメラで読み取ることで、筆者のパスポート番号や顔写真がアプリに自動登録された。次のステップでは、スマホカメラで筆者自身を自撮りして生体認証を行った。

デジタル乗客宣言の申請

DPD(デジタル乗客宣言)もスマホアプリ「Australia DPD」で、旅や検疫の詳細を登録する。

使い方はETAと同様であり、実物のパスポートで登録した後、自撮りで生体認証を行う。一方、DPDの場合は出国7日前〜72時間前までに作業する必要があった。

オーストラリア入国の情報収集について

オーストラリア入国に関する情報は、日本のオーストラリア大使館では扱っておらず、オーストラリア内務省のサイトで確認する必要があるが、わかりやすく構成されているため、理解しやすい。

一連の作業を通じて感じたことは、スマホが単なる情報収集・編集・保存のためのツールではなく、自分の身代わりのような存在となってきたことである。

チップが埋め込まれたマイナンバーカードやパスポートも身代わりの度合いが高くなった。

PCR検査の陰性証明書(海外渡航用)

出国への最後の関門は、出国72時間前以内に受けるPCR検査。英文の陰性証明書を発行してもらう必要がある。この検査の価格は、1.5万円~5万円ほどとバラツキが大きい。

そしてこのPCR検査でもし、陽性反応がでたら、出国はできない…

写真1 羽田空港第3ターミナル。減便にともない、関空からではなく、東京からシドニーへ向かう