ふくだぶろーぐ

福田知弘の公式ブログです。

都市とITとが出合うところ 第82回 ハイブリッド型授業

対面型からハイブリッド型へ

新型コロナウイルスの影響下、なかなか、落ち着かない状況が続く。

新学期は対面型授業でスタートしたが、4月中旬から、学部1年生はオンライン主体、2年生以上は対面型とオンライン型の併用が主となった。対面型の授業を行いながら、その様子を、オンラインでもライブで共有してオンライン受講生も参加できる授業をハイブリッド型授業、または、ハイフレックス(HyFlex:Hybrid-Flexible)型授業という。

授業を録画・録音すれば、受講生は授業後に視聴することもできる。すなわち、オンデマンド機能も兼ねる。教材は、事前にオンラインサイトにアップ。

大まかな手順

  • 講義室でPCをインターネット接続する。
  • ウェブ会議システム(当方のメインは、Blackboard Collaborate Ultra。他にZoomなど)にログインする。ウェブカメラをオン。
  • パワポを、オンラインで画面共有しながら、プロジェクターにも投影する。こうして、対面型講義とオンライン講義のハイブリッド型を実施。
  • 講義内容は録画・録音しておく。

気をつけたいこと

  • 早めに予行演習を。特に、その会場を初めて使う場合、会場設備や通信状況を確認した方が安心。
  • ウェブ会議システムのマイクを常に「オン(ミュートオフ)」にする必要がある。オフ(ミュートオン)のままだと、オンライン受講生は画面を眺めることはできても、音声は聞こえず録音もされない。
  • 録画を早めに開始しておく。講義開始時は結構バタバタするので、録画ボタンを押し忘れやすい。
  • レーザーポインターは、パワポやZoomのレーザーポインター機能を使う。通常の物理的なレーザーポインターだと、ウェブカメラが部屋全体を映していない状態では、プロジェクターが投影しているスクリーンに物理的なレーザーポインターで指しても、オンライン受講生にはわからない。
  • 通常の物理的な黒板に書くことも同様。ウェブカメラが部屋全体を映していない状態では、オンライン受講生は見えないため、パワポ上に書き込む必要がある。
  • パワポに貼り付けた動画に含まれる音声をオンラインで共有したい場合には、画面共有の際に「音声も共有」ボタンを押す。
  • パワポに貼り付けた動画をZoomで共有・再生するとカクカクしやすいので注意が必要。動画をYoutubeに一旦アップしてから、パワポに貼り付けた方がスムーズに再生できる。
  • インターネット接続はLANケーブルを推奨。WiFi接続の場合は、アクセスポイントによって通信速度はかなり違う。com などで通信速度を確認されたい。
  • ウェブ会議システムで画面共有する場合、プロジェクターに映しだす画面を選択すること。PCの画面拡張モードでプロジェクターに投影した場合、パワポの発表者ツール側を画面共有してしまうと、カンペが共有されてしまう。
  • 「これ」「あなた」など、指示語や代名詞はできるだけ使わない。オンライン受講生は「これってどこのこと?」「あなたって誰のこと?」迷ってしまう。
  • 通常の講義は、授業担当者(教師)が受講生(学生)に一方通行的に伝えることが多い。一方、肉声では対面型の受講生に届かない大部屋で、対面型受講生と、オンライン受講生がディスカッションを行いたい場合、対面型受講生にはマイクの準備の他、音声のエコー・ノイズに気を配る必要がある。講義室に、ノイズキャンセリングの設備があれば、会場のマイクを使う場合でも解決できる。

終わりに

ハイブリッド型授業を実施する場合、対面型受講生とオンライン型受講生の両方に気を配る必要があり、対面型かオンライン型かのいずれかで実施する場合に比べて、大変ではある。

それでも、対面型、オンライン型のいずれも望む声があり、ICTの進歩はその実現をサポートしてくれる。失敗しながらも慣れていきたい(図1, 2)。

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図1 ハイブリッド型講義:講義室で床から天井までの高さをレーザー測距計で図っている様子を、オンライン受講生にも共有している様子(会場のカメラをオンライン共有)

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図2 ハイブリッド型演習:左のマイクは会場用、右はオンライン用。受講生は自身のPCにBIMソフトを事前インストール。対面会場のPCはチュートリアルを閲覧。オンライン受講生は教員用ディスプレイを共有しつつBIMモデリング