「キタのまちのニュースレター」(年4回発行。大淀コミュニティセンター・北区民センター・大阪市コミュニティ協会発行)に、連載中のコラム。第2号をご紹介させて頂きます。
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地域の魅力再発見「なんと支流の数965! 日本一の淀川・最北の源へ」
北区を流れる淀川と大川。そもそも、どこから流れはじめているのでしょうか?
同じ流域内にある河川、湖、沼などを含めて「水系」と呼びます。淀川と大川は、大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀、三重の2府4県にまたがる「淀川水系」です。
淀川水系は、「淀川三川」と呼ばれる桂川、宇治川、木津川の他、琵琶湖、そして琵琶湖に流入する河川が含まれており、淀川全体の支流の数は965本、なんと「日本一」です。
つまり、淀川が流れはじめる源は、それらの地域とともにたくさんあります。今回は、最北端となる高時川の源へ。コロナ社会となる前に公共交通で訪ねてみました。
JR木ノ本駅から余呉バスに乗りかえて中河内へ。木ノ本を出発すると田園風景がすぐにはじまり、余呉を過ぎると山あいの道に入ります。すぐ真横を北陸自動車道が並んで走る風景にも出会えます。
バスに揺られ、椿坂峠を越えると終点の中河内に着きました。この集落はかつて、北国街道の宿場町として「(福井県の)今庄朝立ち 木之本泊まり 中河内で昼弁当」と詠われ、旅人にとって重要でした。全国でも屈指の豪雪地帯です。
中河内集落から「淀川の源」の碑へ(写真)、北国街道を歩きます。田植えが終わってカエルの大合唱が谷間にこだましていました。この先に集落はもうなさそう、50分ほどハイキングです。
石碑の裏には「河川の恵みに感謝して」と刻まれています。この地点から、淀川の河口まで直線距離を測ると131kmもありました。緑が豊かでコケが生き生きとしています。ここに降った雨水が土の中にしみ込み、やがて高時川として流れだすのでしょう。石碑からさらに少し歩くと栃ノ木峠、滋賀県と福井県の県境です。分水嶺でもあり、橋の下を流れる孫谷川は日本海へと流れています。
笹舟を浮かべました。地域を見届け大阪湾まで運よくたどり着けたとすると、いつのころになるのでしょうか。大阪や北区というまちの源に触れた気分になり、地域の魅力を再発見する旅となりました。
(キタのまちのニュースレター No.2 2021.10.20)