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福田知弘の公式ブログです。

都市とITとが出合うところ 第80回 箕面ポタリング

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図1 箕面ポタリング

8年目を迎えて

2014年4月からスタートした「都市とITとが出合うところ」は8年目の春を迎えることになりました。いつもお読みいただき、ありがとうございます。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

先日、大学からほど近い箕面の山をママチャリでポタリングしてきました。最も身近な国定公園です。

箕面大滝

千里(標高60m=比高基準)から箕面の山を目指す。新御堂筋は終点となり、箕面グリーンロードのトンネルに入るところで左折して、山すそを走り、如意谷を過ぎたところで箕面ドライブウェイに入る。

いきなり、カーブの連続、そして、一番軽いギアに変えても進んでいる気がしない。先は長いので、押しながら歩いてもよいと方針を決める。箕面市街地から大阪市内まで一気に見渡せた(図1-a)。

「みのお山荘 風の杜」辺りまで来ると(比高160m)、坂道はそれほど厳しくなくなり、箕面川を眼下に見下ろしながら、山あいを進む。箕面の滝道は、2018年9月の台風21号被害の復旧作業・安全対策工事のために一部通行止めであった。

箕面大滝付近で自転車を止めて、坂道を下りて、滝へ(図1-b)。早朝は気持ちいい。箕面大滝は、落差33m。流れ落ちる姿が農具の「箕」に似ていることから、箕面大滝と呼ばれるようになり、地名の由来もここからきているそうだ。大阪府で唯一「日本の滝百選」に選ばれている。

明治の森箕面国定公園

山奥へとさらに進んでいき、箕面ビジターセンターに差し掛かる(比高220m)。ここは、東海自然歩道の西側の起点。東海自然歩道は、大阪、京都、奈良、滋賀、三重、岐阜、愛知、静岡、山梨、神奈川を経て、東京の高尾ビジターセンターまで続く、11都府県約90市町村にまたがる長さ1,697kmの自然歩道である。

箕面の山は「明治の森箕面国定公園」に指定されており、大阪府では「金剛生駒紀泉国定公園」と並んで貴重な自然資源である。東京・高尾ビジターセンターの側も「明治の森高尾国定公園」と国定公園となっている。

「明治の森」と名付けられているのは、1968年(昭和43年)に実施された「明治百年記念事業」の一環で整備されたためである。

エキスポ’90みのお記念の森

箕面川ダムの堤を横切る(比高275m)。高さ47m、岩石や土砂を積み上げて建設されたロックフィルダムである(図1-c)。

ダムから、最終ゴール・エキスポ’90みのお記念の森(比高450m)まではかなりきつかった。直線的で長い坂道。ママチャリで来る人は少ないのかもしれない。生き生きとした鳥の鳴き声に助けられた。

1990年の花博を記念して整備された記念の森は、心地よい(図1-d)。あべのハルカスや京セラドーム大阪が遥かに見えた。

勝尾寺

記念の森からの帰りは、ほぼ下りである。あれだけ時間をかけて上ってきたのが嘘のように、下りは一瞬であった。下りの気持ちよさは、ポタリングならでは。

勝尾寺へ(比高310m)。西国札所 第23番。受験シーズンということもあってか、勝ちダルマがずらりと並べられていた(図1-e)。

AR地形模型

帰宅してから、Google Earthで計測してみると30kmほどポタリングしていた(図1-f)。「AR地形模型」というiOSアプリは、国土地理院などの地図と地形を重ね合わせながら、現実世界にデジタル模型をAR(拡張現実)表示できる。地形の高さの倍率を変えて、起伏を強調させながら、眺めてみると面白い。

自分の部屋に、デジタル地形を表示させて、ポタリングしたルートをたどってみる。道が山に貼り付いている。結構な山道をママチャリで走っていたのだと追体験できた(図1-g)。

(一般社団法人 大阪府建築士事務所協会 「まちなみ」2021年4月号)