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都市とITとが出合うところ 第59回 VRサマーワークショップ イン ウェリントン (2)

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VRサマーワークショップ イン ウェリントン

VRワークショップ DAY1

ビクトリア大学ウェリントン テアロキャンパスでは、進行役の小林佳弘氏(アリゾナ州立大学)より、今回のワークショップ・テーマ「ペチャクチャ・ナイト」が披露された。これは、48時間で新たなVRシステムに関するアイデアをまとめ、その一部をシステム開発し、プレゼンテーションするものである。このアイディアソン+ハッカソンの進め方は昨年とほぼ同じであるが、プレゼンテーションで用意するスライドは20枚厳守で、各スライドは20秒で話すことというルールが加わった(20秒で自動的に次のスライドへ。持ち時間は400秒=6分40秒)。

アイディアソンでは、トレーシングペーパーがメンバーに配られ、新たなVRプロジェクトの提案内容を書きこんでいく。そして壁に貼り出して、アイデアを順に発表していく。他のメンバーや㈱フォーラムエイト開発スタッフが質問や改良案を出しあい、ブラッシュアップしていく。

DAY2―3

DAY2の朝には共通の開発テーマとなりそうな提案を結び付けて、以下のような6チームとなった。

チーム毎に、開発プロジェクトが本格スタートした。途中、ウェタ・デジタル社 Kevin Romond氏が「A Look Inside Weta Digital: Technology in the Service of Storytelling」と題して、オークランド大学 Uwe Rieger氏が「Architecture per Second」と題してそれぞれ基調講演した。

ウェリントンは、映画産業の都と呼ばれ、世界有数の映画技術と才能が集結している。中でも、ウェタ社はニュージーランドの若き映画制作者たちが1993年に立ち上げた企業である。Romond氏の講演では、映画「アバター」「キングコング」などウェタ・デジタルが手がけた映画のデジタル処理技術を中心に解説がなされた。

DAY3夕方からは、ウェリントン郊外のSchnabel邸に移動して最終プレゼンテーションが行われた。Schnabel氏の手料理と段取りの凄さには脱帽した。これぞ、ベスト・プレゼンテーションと呼べるかもしれない。庭で眺めた南十字星は一生の思い出になりそうだ。

DAY4

朝からテクニカルツアーへ。まず、ウェタ社のスタジオ・ツアーに参加。映画で使われたパーツやフィギュアの実物(これぞVR!?)を目の当たりにした。その後、ビクトリア大学ウェリントン ミラマー・クリエイティブ・センターを訪問。最新のモバイル型VRシステムやスタジオが整備されている。

国会議事堂の閣僚執務棟はハチの巣と呼ばれる外観。前面の広場には、イギリス連邦王国16ケ国の国旗が並ぶ。旧セント・ポール教会はウェリントンで最初に作られた英国国教会の大聖堂。1866年に建造されたゴシックスタイルの木造教会で、ステンドグラスが印象的であった。

帰りの機内でウェタ・デジタルの代表作「アバター」を改めて観たことは言うまでもない。

PDF: http://y-f-lab.jp/fukudablog/files/1903machinami_FukudaFinal.pdf

一般社団法人 大阪府建築士事務所協会 「まちなみ」2019年3月号)