大阪市大淀コミュニティセンターと北区民センター・大阪市コミュニティ協会発行の「キタのまちのニュースレター」(年4回発行)に、コラムを連載させてもらうことになり、記念すべき第1号が発行されました。
私のパートをご紹介させて頂きます。
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地域の魅力再発見「北区を遠望してみると」
大阪の地図を西が上になるよう回転してみると、北区は「鶴」のように見えます。縁起よし!中之島は頭から首、大阪駅やうめきたは背中、淀川沿いは翼、大川沿いはお腹。さらに、大阪環状線を京橋まで、都島通を野江内代あたりまで描くと、鶴の足となります。鉄道や道路は現代の足そのものですね。北区と隣の区との境は、淀川、大川、堂島川、土佐堀川がほとんど。川らしい柔らか地形に囲まれているからこそ、生き物に見えたのでしょう。
形のみならず、まちは生き物であり、瞬時に変わる風景はまだしも、ゆったりと移ろう変化は気づきにくい。また、時間と空間の積み重ねにより都会は複雑であり、よく観察する必要があります。好きなところからはじめる方が楽しい。そこで、筆者のお気に入りを切り取ってみました。
▽淀川河川公園(西中島・十三野原地区)からの眺め / 都心の超高層ビル群を眺めつつ、緑と風は心地よく、鳥はさえずり、空は広い。人工と自然を味わえる。
▽お初天神 / にぎやかな通りを抜け都心のほっこり空間。昔に引き戻された感じ。夕方になれば提灯がともされ、焼鳥の匂い。まさにパワースポット。
▽中之島の物語 / 難波橋より東、「ばらぞの橋」で途切れる先は埋め立てで生まれ「剣先」まで続く。が、なぜか一体感は希薄。天満堀川との関係か、大川を分流するための工夫か、それとももっと別の理由なのか。
▽川崎橋 / 華奢な斜張橋。大川が南から西へとまさに向きを変えるところ。曲線の頂点からは、川をぐるりと見渡せ春は桜が視界を覆う。ふり返れば、大阪城。
▽梅田スカイビル空中庭園 / 2本の超高層ビルを連結させ、屋上を開放した展望台。淀川と大阪湾の風景。空港へ着陸態勢を整える旅客機。ビル群の向こうの大阪城。
人は五感の刺激により情報をキャッチしています。新型コロナウィルスやデジタル技術に感受性を奪われてしまわないよう、リアルやライブ感を大切にしたい。そこで地域の魅力を再発見し、五感を刺激して、大好きな「どこか」を探り当てる。そんな「旅」にお誘いしたい。と、この連載をスタートします。
(キタのまちのニュースレター No.1 2021/7/25)