ふくだぶろーぐ

福田知弘の公式ブログです。

元気・挑戦・ユーモア(1):Google Earth

2月に開かれた「先進三次元研究会8周年記念セミナー in 明石」での講演レジメを本日より3日間連続でご紹介します。
タイトルは、「元気・挑戦・ユーモア 〜Google Earth、高松4町パティオprj.〜」です。


最近、毎日の生活自身がプロジェクト(旅)だと感じます。変革の波の中にいるからでしょうか。旅を続けるのは確かにしんどいけれど、とにかく何事にも元気に、挑戦する気持ちを絶やさず、ユーモアも大切にしながら取り組んでいきたいものです。

Google Earth
世界最初の地球儀は、紀元前160年頃ギリシャのクラテスによるものだったそう。
あれから2,000年以上の時を経て、Google Earthがリリースされました。ご存知の通り2005年6月にリリースされたデジタル地球儀です。これまで愛用してきたphysical地球儀とは情報量、インタラクティブ性共に遥かに優れものです。デジタル地球儀はこれ迄にもありましたが、低スペックのPCにおいても表示する縮尺に応じて高精度の衛星(航空)写真が表示されるため、誰にとっても有用且つ魅力的で、急速に拡がりました。

Googleならではのユーモアが沢山盛り込まれた楽しいコンテンツであることも一因なのでしょう。現在では、初期リリースから2年半が経ちましたが、衛星写真から高精度な航空写真へと切り替えられる地域がどんどん増えると共に、世界各地を巡るツアー、住所検索、古地図や統計データやGISデータなどのオーバーラップ表示、Google Earth Community等のコミュニティサイトの充実、三次元都市データの表示、Sketch UPの無料リリース(Google Sketch Up)、ユーザ自身が作成した三次元データの表示と共有、場所に関するウィキペディアの記事集(Placeopedia)、世界中から広範に収集された共有写真集(Panoramio)、世界中のホテルの割引情報(Earthbooker)、世界各地の地震のリアルタイム表示(CBS Seismic Monitor)などなど、空間と関連する様々なメディアの情報が盛り込まれるプラットフォームになりつつあります。

私もこれまで少しずつでありますが、Google Earthを楽しみながら試行しています。まずは出張や旅の記憶装置として使い出し、安藤建築の空中散歩ドイツ・ワールドカップ2006会場探し世界中の超高層ビルの傾き具合の調査へ出かけました。講義の出欠簿として活用した時、専門課程にあがりたての学部2年生は大はしゃぎでした。デザイン分野では、都市・地域レベルのセイムスケールマップの作成も容易になってきました。GISとの連携も始まっています。

折角の機会なので今後の機能拡張について勝手ながら要望しておきましょう。まず操作インターフェースについていうと、俯瞰状態での操作が基本となっており地上付近(アイレベル)での検討や、地面から一定の高さで水平飛行ができる機能などが欲しいところです。
また景観検討の側面からデータ表示について、研究室で1991年に作成した明石の現状データと見比べてますと、

■明石大蔵海岸1991: 周辺地形データ(航空写真マッピング無)、周辺建物データ(ランドマークは詳細、屋根形状も)。かなり広範囲(40km四方)のデータを人間が見る状態で表示。但し3次元ビューイングはhp(ワークステーション)で静止画中心。

■GoogleEarth2007: 周辺地形データ(航空写真マッピング)、周辺建物データ(ほぼ全て直方体)。加えて、写真データ、インフォメーションデータなどをオーバーラップ表示できます。しかし、リアルタイムレンダリングが基本なので、カメラ位置からの距離や表示の重要度によってデータクリッピングされてしまい、見たいデータが表示されないことが残念なところ。また、オーバーラップの際には半透明表示が欲しい。3次元の建物には屋根形状も欲しいところ。但し、既に実装済みの機能で、私が使いこなせていないだけであれば御免なさいね。

せめて静止視点からの検討では、オフラインレンダリングで良いので全ての空間データを表示する機能があってほしいですね。リアルな世界に対する誤解を払拭する意味でも必要な表示機能だといえましょう。まあGoogleの能力をもってすれば、このような要望すらこの原稿を書いている内に解決してしまっているかもしれませんが。今後は、マイクロソフト社のバーチャルアースも楽しみです。[:にかっ:]


バーチャルであるにせよ、地球を転がしたり近づいたりしながら世界各地を旅していると、時間が経つのを忘れてしまいます。ああ、今日も午前様だ。

先進三次元研究会8周年記念セミナー in 明石 講演レジメに加筆・修正)