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都市とITとが出合うところ 第68回 ハルビン工業大学(深圳)との国際デザインワークショップ(2)

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HIT-OUデザインワークショップ DAY5 左上; NEXT21, 左中: フォーラムエイト, 左下: ハートビートプラン, 右: 太陽の塔 生命の樹

DAY5

ハルビン工業大学(深圳)-大阪大学との国際デザインワークショップは、6/24(月)にはじまり6/27(木)の中間報告会までの4日間を終えた。6/28(金)は、ワークショップメンバーが大阪を体感しつつ視野を広げるためにテクニカルツアーを企画した。ワークショップのテーマらしく、サスティナブル住宅、IT/VR、まちづくりに関する施設や企業を訪問した。 

NEXT21

NEXT21は、大阪ガス㈱の集合住宅実験プロジェクト。1994年にはじまり、2013年からは第4フェーズを迎えていて、2020年頃までの「環境にやさしい心豊かな暮らし」をメインテーマに、人・自然・エネルギーとの関係が深化する都市型集合住宅の具現化に取り組んでいる。

筆者自身はここ数年、毎年見学させて頂いているのだが、居住状況などにより、見学コースは変わっていく。今回は「祖母、母、私、娘」の4世代・4人の女性が、それぞれ自立した個人として、同時にお互いを支え合いながら世代間を継ぐための住まい「4G HOUSE」を内部見学させて頂いた(図 左上)。個々の独立性を確保しつつ、少人数の複数世帯が集まって住むためのライフスタイルと空間の提案である。

フォーラムエイト

㈱フォーラムエイト大阪支社のあるOAPへ向かう。G20大阪サミットの初日であり、帝国ホテルを構えるOAP付近は厳戒態勢であった。

フォーラムエイトでは、VRの制作過程のデモンストレーションを見せて頂くとともに、数々のVRシステムやシミュレータを実際に体験した。例えば、都市景観、避難誘導、災害などのシミュレーションをVRでわかりやすく可視化して、施主、設計者、市民がわかりやすく情報共有しながら検討できるシステム、FEM(有限要素法)による橋梁などの構造解析、VR映像の変化に合わせて動作する椅子(VRモーションシート)、脳波をインターフェースとしてVR空間を操作するシステム、ドライビングシミュレータ、鉄道運転シミュレータなどである。

学生たちには、VRモーションシートの体験に最も人気があったようである(図 左中)。

ハートビートプラン

大阪天満宮へお参りしてから、「まちづくりのまち医者」として、地域が元気になるまちづくりに取り組むハートビートプランへ。最近のプロジェクト紹介では、大阪でのなんば駅周辺まちづくり、西梅田地区公共空間活用、水都大阪(北浜テラス、中之島GATE、水辺バル、OSAKA旅めがね)、大東市北条まちづくりプロジェクトなどを、全国各地では、姫路市大手前通り利活用支援、愛知県豊田市のあそべるとよたプロジェクト、岡崎市乙川リバーフロント地区かわまちづくり、長門湯本温泉観光まちづくり事業などを余すところなく紹介して頂いた(図 左下)。

プロジェクトの内容や質の高さもさることながら、ハートビートプランの仕事に対する姿勢に、学生たちは心を打たれたようであった。

夜は、水都大阪の夜景を眺めながら懇親会。ワークショップ後半戦に向けて、学生たちは絆を深めていった。

太陽の塔 内部見学

 別の日(DAY7)には、大学から歩いて太陽の塔の内部見学へ。内部再生事業により、耐震工事や万博当時塔内部に展示されていた「生命の樹」「地底の太陽」が復元され、2018年3月より一般公開されている。垂直パノラマで撮影してみた(図 右)。

PDF: http://y-f-lab.jp/fukudablog/files/2001machinami_FukudaFinal.pdf
(一般社団法人 大阪府建築士事務所協会 「まちなみ」2020年1・2月合併号)