大阪大学サイバーメディアコモンズ
VRサマーワークショップの会場は大阪大学サイバーメディアコモンズ。学生のためのアクティブラーニングスペースとして、2015年5月にオープンした。6.5m×2.4mの大画面で24面フルHD画像を表示できる大規模立体可視化システム、可視化システムから3次元モデルを生成できる3Dプリンターなどが置かれている。
サマーワークショップ期間中に行ったサイバーメディアセンターのツアーでは、大阪大学 安福健祐 講師の案内により、大規模立体可視化システムの大画面に、大阪駅の地下街浸水シミュレーションやキトラ古墳の超精細VR映像をデモンストレーション。さらには、ベクトル型スーパーコンピュータとPCクラスタを見学させて頂いた。
サイバーメディアコモンズ:大規模立体可視化システム
World16のプロジェクト提案
2日間で実施されたWorld16の各々のメンバーのプロジェクトの成果発表が大阪市中央公会堂特別室で開催された。
- 楢原太郎氏(ニュージャージー工科大学/米国):VRをコントロールするデバイスを自主制作する方法として、Arduinoというマイコンボードを使い、センサーからのデータを取得しながらVRアプリを操作するプログラムの作成方法を紹介する。
- Matthew Swarts氏(ジョージア工科大学/米国):WebSocketを使って、ブラウザから非同期にVRアプリと通信する方法について。この方法によりiPhoneなどのスマートフォンのジャイロスコープで、VRツールを操作できるようになるため、エンターテイメント分野など幅広い応用が期待される。
- Kostas Terzidis氏(ハーバード大学/米国):iPhoneやAndroidのアプリ開発・販売のビジネスを始める際のプランニングとマネジメントのためのツール群について。
- Marcos Novak氏(カリフォルニア大学サンタバーバラ校/米国):人工知能を用いたVR空間構築手法について、近年注目されているディープラーニングを使って、ゴッホなどのアートスタイルを学習した人工知能にVR空間を生成させる手法を紹介する。
- Thomas Tucker & Dongsoo Choi氏(バージニア工科大学/米国):複数の写真からの3Dモデルを作成するツール(SfM: Structure from Motion)について、より精度の高いデータをSfMで作成するために注意すべき点について紹介する。
- Ronald Howker氏(アルバータ大学/カナダ):浮世絵師・歌川広重の東海道五十三次をVRで表現するプロジェクトについて。
- Claudio Lebarca氏(カトリック大学/チリ):チリのチュキカマタ鉱山(世界最大の露天掘りの銅山)では、自動運転されたトラックを使って、採掘した銅鉱石を運搬するシステムを構築する国家プロジェクトが進められている。そのシステム構築のために鉱山内部のトンネル群をVRで可視化するためのデータ生成方法を紹介する。
- Sky Lo氏(ヴィクトリア大学ウェリントン/ニュージーランド):オンラインでデザイン検討できるCADツールで生成した建築プランをVR化する方法を紹介する。
- Amar Bennadji(ロバートゴードン大学/イギリス):点群データを用いて、歴史的な建造物のアーカイブを作成する方法について、点群データの修正や色補正などの方法も紹介する。
- Paolo Fiamma氏(ピサ大学/イタリア):ピサ大学で始まる新しいBIM(Building Information Modeling)教育の概要、および、VRとBIMなどを統合するためのデータ変換とその方法を紹介する。
- Wael Abdelhameed氏(バーレーン大学/バーレーン):建物内部のエネルギー効率の可視化研究プロジェクトについて、VR空間を探索しながら、各部屋のエネルギー効率等の計測データを表示させるためのシステム構築方法を紹介する。
最後に、360度カメラで特別室の天井画や装飾と共に記念撮影してワークショップは終了した。
大阪市中央公会堂特別室
最終プレゼンテーション
最終プレゼンが終わり、集合写真
PDF: http://y-f-lab.jp/fukudablog/files/1701machinami_FukudaFinal.pdf