9月上旬、2019年度日本建築学会大会[北陸]に参加しました。今年は、金沢工業大学で開催されました。建築家・都市計画家 大谷幸夫氏らによるキャンパス設計。
今年は、主査を仰せつかっている建築・都市VR・MR小委員会(情報システム技術委員会 傘下)にて研究協議会「建築・都市分野のVR・MR技術の展望」をメンバーで約1年間、企画しました。研究協議会用に資料集も作成しました。
研究協議会は2日目午後に開催されたのですが、資料集160部は初日夕方には売切れてしまいました。2日以降に来られた方には申し訳なかったです。また、研究協議会は、定員165名を遥かに上回る方々にお越し頂きました。笹田さんのまとめにもありましたが「遊び心」を大切に新たな取り組みにチャレンジしていきたいと思いました。
研究協議会のプログラムは、以下の通りです。
情報システム技術部門 研究協議会「建築・都市分野のVR・MR技術の展望」
日時 2019年9月4日(水)14:00~17:30
会場 金沢工業大学 5号館5・201室
司会 倉田成人(筑波技術大学)
副司会 松永直美(レモン画翠)
記録 大石智久(パナソニック)
1. 主旨説明 福田知弘(大阪大学)
2. 主題解説
1) 建築・都市VR・MRとシミュレーション・AIの融合 福田知弘(前掲)
2) ゼネコンにおけるVRの活用と期待 上田淳(清水建設)
3) BIMとVR 濱地和雄(オートデスク)
4) 国内外のVR・MRに関する動向について 安藤幸央(エクサ)
3. 討論 コーディネーター 大西康伸(熊本大学)
4. まとめ 笹田岳(鹿島建設)
研究協議会頒布資料の目次は、以下の通りです。登壇者に加えて、研究協議会のテーマに相応しい専門家の皆様にご寄稿頂きました。
1.主題解説・討論
1) 建築・都市VR・MRとシミュレーション・AIの融合
福田 知弘(大阪大学)
2) ゼネコンにおけるVR/MRの活用と期待
上田 淳(清水建設)
3) BIMとVRの現状と今後の展望:BIMを活用したVRの事例
濱地 和雄(オートデスク)
4) 国内外のVR・MRに関する動向に関して:VR空間における建築物の正しいスケール感に関する考察
安藤 幸央(エクサ)
5) 情報表現のパラダイムシフト:平面的情報空間から立体的情報空間へ
大西 康伸(熊本大学)
2.寄稿論文
1) デジタルツインに向けて:建築学は復権できるか
渡辺 俊(筑波大学)
2) VR・MR研究の動向と建築・都市分野への応用における展望
清川 清(奈良先端科学技術大学院大学)
3) オフライン上の聖地としての「家」:肉体を放棄した民たちの成れの果て
楢原 太郎(ニュージャージー工科大学)
4) VR技術の建築設計への応用と建築情報教育
倉田 成人(筑波技術大学)
5) xR技術を中心とした分野横断の学習・教育の場づくり
下川 雄一(金沢工業大学)
6) VR等技術を用いた行政課題解決への取組について:近江八幡市におけるVR安土城プロジェクトを事例として
伴 浩和・才本 佳孝(近江八幡市)
7) 観光地における街路空間再配分による公共高質空間の新たな創造:3D-VRを援用した設計計画手法 水木しげるロードリニューアルの事例
灘 英樹(境港市)
8) JR御茶の水駅「バリアフリー整備等工事」について:まちづくりの合意形成におけるVR技術活用の提案
松永 直美(レモン画翠)
9) 建築・都市分野のVR・MR技術の展望:設計業務におけるVR・MR技術の利活用について
吉田 哲・四戸 俊介・二本松 千絵(日建設計)
10) クライアントと体験を共有する:建築設計事務所におけるVR 利用事例
戸泉 協・繁戸 和幸・高野 直樹(安井建築設計事務所)
11) 公共事業やまちづくりにおける行政の3次元データ継続活用に関する考察
田上 恭也・大石 智久(パナソニック)
12) VR・ARを活用した被災エリアの復興支援:エリアデザインのための合意形成支援技術
本間 里見(熊本大学)
13) 建築・都市分野におけるVRシミュレーションソフトウェアの効果について
松山 洋人(フォーラムエイト)
14) ゲームを動かす技術とバーチャルリアリティ:誰でもできる研究VR
簗瀬 洋平(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン)
15) xR建築理論(xR建築,xR建築家)を目指したい基礎研究:VR空間における空間知覚と印象の検証
山田 悟史・北本 英里子・横田 芙実子・村上 雅也(立命館大学)
16) 価値探究のための設計空間としてのVRの活用
酒谷 粋将・四宮 駿介(関東学院大学)
17) VE:Virtual Experience
木村 謙(エーアンドエー)
18) 夢の解像度:仮想現実と金縛りと頬つねり
小林 佳弘(アリゾナ州立大学)
19) 終末期医療におけるVRを活用したケアの実践と課題
仁木 一順(大阪大学)
20) AR/MRのための要素技術と建築分野への適用試行
加戸 啓太・平沢 岳人(千葉大学)
21) 構造物維持管理業務効率化のためのARシステムの開発
倉橋 哲弘・佐藤 隆洋(日本工営)
22) 集団的合意形成とAR:CityScope の仕組みと応用
酒井 康史(MIT)
研究室からは、大学院生2名が以下の内容を発表しました。彼らにとって、外部発表の実質デビュー戦となりましたが、英語で論文を執筆し、英語で発表しました。益々、成長して頂ければ幸いです。
○石川大地(大阪大)・福田知弘・矢吹信喜:Development of a Telepresence System for Sharing 3D Physical Objects Using Real-time Point Clouds, 日本建築学会大会(北陸)学術講演梗概集(情報システム技術), 13-14, 2019.9.
○池野和之介(大阪大)・福田知弘・矢吹信喜:Development of Visualization System for Sound Environment Simulation of Disaster Administrative Radio Using Mixed Reality, 日本建築学会大会(北陸)学術講演梗概集(情報システム技術), 195-196, 2019.9.