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ふくだぶろーぐ

福田知弘(大阪大学 大学院工学研究科 環境・エネルギー工学専攻)のオフィシャルブログです。

都市建築VR制作マニュアル2:建物写真撮影。

次は建物の外観写真を入手しよう。一般に,物体の材質の素材感のことをテクスチャ(texture)といい,コンピュータでテクスチャデータを3Dモデルに貼り付ける作業をテクスチャマッピングという。今回のような,都市建築の作成を対象とした場合,建物の外観(ファサード(façade))や看板などをテクスチャマッピングする必要がある。これらのテクスチャデータを作成するため,まず,建物の外観写真を入手する必要があり,通常は建物がある現地に赴きデジタルカメラで撮影する。

?事前準備
・最終目標であるVR技術の現状を考えた場合,撮影に必要なデジタルカメラの画素数は,300万画素程度で十分である。ただし,携帯電話のカメラ機能は画質に課題があるので現状では使用は控えたい。
・現地の情報(駅からの距離,住所,周辺施設など)を,地図,航空写真,Google ストリートビュー等で確認する。天気,気温,太陽高度なども撮影に影響する。
・取材を効率的に行うため,取材ルートを設定する。また,取材ルートもしくは作成範囲に応じて撮影対象となる建物に番号を付ける。
・必要に応じて,建物の撮影許可の状況を確認する。
・カメラのバッテリー,メモリーカードは撮影時間・撮影枚数に応じて予備を準備する。特に冬季はバッテリーの消耗が早いので注意。

?現地撮影
・広範囲を取材するのであれば,まず都市の全体を把握するため,高い位置から撮影する。
・建物は正面から建物全体が1枚に収まるように撮影することが基本。高い建物で1枚に収めることが困難な場合は複数に渡ってよい。また,道路幅員が狭く,撮影の引きが取れないため正面からの撮影が困難な場合は,斜めから撮影する。
・1枚の写真には,1棟の建物のみを収めると高解像度の素材が得られる。一方,隣り合う建物同士の関係を把握するための複数棟入った写真も撮影しておく。
・ビルの看板や名称等も撮影しておく。
・建物の建ち並ぶ順に,順番に,同じ角度,同じ撮影モードで撮影する。障害物,車,人が入らないよう,撮影位置や撮影のタイミングに注意する。例えば,車や通行人は通り過ぎるのを待つ。
・建物の高さも把握する。詳細に計測する方法として,メジャーやコンベックスを用いる方法,レーザー式や音波式の距離計(Leica DISTO A5など)を用いる方法がある。地道に,外壁タイルの単位寸法を把握した上でタイル数を数えて計算する方法も良く使う。
・写真は数多く撮影しておく。また,写真を撮影したら,撮影位置・撮影角度・気になる点を地図やメモ帳に記入しておく。現地では,全てを理解した気分になって,撮影し忘れてしまい,事務所(自宅)で後作業を実施する際に現地の様子を思い出せないことも多いので注意しよう。
・図面,地図の資料には掲載されていない情報も多いので注意。また,資料の作成時期や作成者の記録内容により,現物が異なる場合もあるので確認する。建物外構(舗装,照明,植栽,ストリートファーニチャなど)の状況も撮影,プロットしておく。
・ビデオ撮影は,テクスチャ素材として使用することは少ないが,実写とVRとの比較や,交通量の把握,信号フェーズの記録など,写真では記録できない対象地区の状況を記録することができる。

■撮影した建物外観写真の例

?取材後
・地図上にプロットした建物番号と撮影した写真ファイル名の対応表を作成する。再撮影時の基礎資料,後工程での作成分担,工程管理等に利用する。特に,〆切直前には資料の所在確認に時間をとられることのないよう,また,撮影時の記憶が風化することのないよう,対応表は撮影後早い時期で行うこと。
・所定のフォルダに保存する。


■ふくだぶろーぐ:都市建築VR制作マニュアル
あなたも作れる都市建築VR。
都市建築VR制作マニュアル1:資料準備。
都市建築VR制作マニュアル2:建物写真撮影。
都市建築VR制作マニュアル3:写真加工によるテクスチャマッピングデータ作成。
都市建築VR制作マニュアル4:建物3Dモデル作成。
都市建築VR制作マニュアル5:建物3Dモデルへのテクスチャマッピング。
都市建築VR制作マニュアル6:VRソフトへの出力。