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都市とITとが出合うところ 第47回 VRサマーワークショップ イン ボストン (2)

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VRサマーワークショップ DAY1

VRサマーワークショップは、MIT産業学際会(ILP: Industrial Liaison Program)の会議室で行われた。チャールズ川とボストンの美しい街並みが広がる贅沢なロケーションである。

オープニング・トーク・セッションでは、フォーラムエイト代表取締役 伊藤裕二氏、MIT産業学際会代表 カール・コスター氏、MIT産業学際会所長 矢野敬二氏が、ウェルカム・スピーチを行った(図1)。

World16セッションでは、小林佳弘氏(アリゾナ州立大学/アメリカ)の進行により、今回参加した11名のWorld16メンバーがそれぞれ、最近の研究成果とこのサマーワークショップで取り組む提案内容をプレゼンテーションした(図2)。プレゼンテーションの後、各メンバーは画用紙を手にして、2日間のワークショップで実施したい内容を詳しく書きこんでいった(図3)。

MITキャンパスのレストランで昼食した後、MITキャンパスツアーへ。MITメディアラボが入る、槇文彦氏が設計した新しい校舎は、屋内外ともにガラスを多用して透明感に溢れていた。レゴ社が寄贈した校舎の模型がユニーク(図4)。フランク・ゲーリー設計のスタタ・センターの内部には、以前、MITのシンボル・グレートドームの屋根に一夜にして置かれたとされるパトカーが飾ってあった。聞くと、当時は大騒ぎになった話だそうだが、遊び心に満ちたMITの学生によるいたずら話。グレートドームに置かれたのは、本物のパトカーではなく、原寸大の模型なのだそうだ。グレートドーム付近では、夏休み真っ只中ということもあり、アジア各国を中心として高校生たちがキャンパスツアーに訪れていた。チャールズ川をゆったりと歩いて(図5)、会議室に戻り、ワークショップを再開する。

World16の各メンバーが昼食前に作成した、ワークショップでの開発提案の画用紙を壁一面に張り出し、アイデアを順に披露していく。他のメンバーからの質問やコメントを基に、アイデアをブラッシュアップしていく。いわゆる、アイデアソンである(図6)。最終的には、テーマに共通性がありそうな提案を結び付けて、以下のようなチームおよびテーマとなった。

  • Thomas Tucker & Dongsoo Choi氏(バージニア工科大学/米国):短時間での点群データの取得と3Dモデル作成
  • Marcos Novak氏(カリフォルニア大学サンタバーバラ校/米国)×筆者:汎用画像処理シミュレーションフレームワーク開発
  • Kostas Terzidis氏(ハーバード大学/米国)×Amar Bennadji氏(ロバートゴードン大学/英国):適応的オーディオと拡張現実提供サービス構想
  • Matthew Swarts氏(ジョージア工科大学/米国)×Marc Aurel Schnabel氏(ヴィクトリア大学ウェリントンニュージーランド):協調設計プラットフォーム研究開発
  • Paolo Fiamma氏(ピサ大学/イタリア)×Ruth Ron氏(シェンカル工科デザイン大学/イスラエル):IM&VR nD情報オープンフォーマットと可視化機能開発
  • Wael Abdelhameed氏(バーレーン大学/バーレーン):UC-win/Roadマイクロシミュレーションプレイヤーを利用した遺跡発掘データの時系列表現

DAY2

DAY1で作ったチームに分かれて、各プロジェクトが具体的に始まった。作業がひと段落すると、ホワイエに出て、チャールズ川に浮かぶヨットやボートを眺めてリフレッシュ(図7)。昼食は集中力を切らさないように、会場までケータリング・サービスを依頼した(図8)。真剣に議論を続けるチーム、開発を始めるチームなどハッカソンの進め方は多様であった(図9)。

いよいよ明日DAY3はワークショップ最終日。夕方には成果をプレゼンテーションしなければならない。ホテルに戻ってからも、夜遅くまで、プロジェクトは続いた(図10)。

 

PDF: http://y-f-lab.jp/fukudablog/files/1802machinami_FukudaFinal.pdf

大阪府建築士事務所協会「まちなみ」2018年2月号)