ふくだぶろーぐ

福田知弘の公式ブログです。

都市とITとが出合うところ 第72回 テレワーク(1)

f:id:fukuda040416:20200530091636j:plain

図1 3DVRを含むウェブ会議(2013年):デルフト工科大学と大阪大学をネット接続して、参加者の映像と音声、3DVRをインターネットで共有しながら、遠隔設計検討会議を紹介した。オランダ2013年9月20日夕方17:30、日本2013年9月21日深夜0:30(時差7時間) 。時差により、大阪側は深夜になったが、オランダと大阪とつないだリアルタイムデモを紹介できた。同様のデモを、国内各地点、ハワイ、香港、台湾と大阪を結んで実施(2011年以降)。

突然のはじまり

昨今の新型コロナウィルスの拡大防止に向けて、テレワーク、Web会議、オンライン授業、ウェビナー開催(ウェブとセミナーと組み合わせた造語)など、インターネット接続を前提とした作業や会議、授業や講演を余儀なくされている方は非常に多いと思う。

インターネットがなかった時代に、外出自粛となっていれば、電話、ファックス、郵便でやるしかなかったことを思えば、できることは確実に増えた。一方、余儀なく、急遽はじめなければならなくなった方は大変である。

会議のシーンや利用ニーズは様々であり、当てはまるかわからないが、過去の失敗を踏まえてノウハウをご紹介したい。今回は、Web会議を。 

Web会議のノウハウ

  • 慣れない環境で長時間作業していると疲れやすく、ストレスの原因となる。机や椅子の高さ、PCディスプレイと目の高さや距離の関係を調整する。
  • インターネット接続、電源(バッテリー残量)を確認する。PCを使う場合、有線LANの方が安定的なことが多い。
  • オンライン会議に参加するために必要な機材として、コンピュータ(PC、タブレットスマホ)に加えて以下が必要。ラジオのように聞くだけであれば、イヤホンかスピーカーだけで十分。互いの顔を見ながら会話が必要であれば3つの機材が必要。これらはスマホには標準装備されているが、(特にデスクトップ)PCの場合は確認が必要。
    • 聞く:イヤホンまたはスピーカー
    • 話す:マイク
    • 顔を見せる:Webカメラ
  • 通常の対面型会議に比べて、ネット接続の準備・チェックが必要。慣れないうちは、会議がはじまる5~10分前にはオンライン会議室への入室を一旦終えておくと安心。そうすれば、トラブルが起こっても、解決できることは多い。
  • 映像は、大量のデータをやり取りする。スマホなど、通信速度制限のある機材を使う場合は、注意が必要。WiFi接続がお勧め。
  • 映像が互いに共有できているか、どんな風に見えているのかのチェックが必要。逆光にならないようにWebカメラを配置。
  • スピーカー・イヤホン(音声出力)とマイク(音声入力)が互いに共有できているかチェックが必要。これは意外に忘れやすい。さらに、PCから外部のスピーカーに接続する場合、PC側で該当デバイスが正しく選択されているかチェックが必要。
  • マイクがスピーカーの音を拾い、その音をまたスピーカーから出力してしまうと、ハウリング(キーンという不快な音)やエコーとなってしまう。スピーカーではなく、ヘッドフォン/イヤホンを使われた方がよい。また、会議中に発言しない時間帯は、ミュート(消音)にする方がよい。
  • 会議が始まったら、話し手は、自身の映像が見えているか、音声が聞こえているかを、口頭、もしくは、チャット機能で、聞き手に確認しよう。
  • 会議メンバーの一部が対面型で参加し、残りのメンバーがリモートで参加する場合、リモート参加者は、会議の輪に入りにくい、疎外されていると感じやすい。よって、対面型会議の参加者は、Webカメラの位置に気を配り(できるだけ多くの参加者が共有できるよう)、リモート参加者に発言を促すなど、気配りが必要。
  • オンライン会議では、対面型の会議と比べて、互いの空気感が伝わりにくい。相槌や身振り手振りは少々オーバーなくらいがビデオ会議には丁度いい感じ。また、できるだけ、具体的に、論理的に、話された方が理解しやすくなる。慣れないうちは、聞こえているか、理解できているか、などの確認作業を小まめにした方がよい。

無音状態になるとインターネットが切れたのではないか、相手のビデオ画面に変化がないとフリーズしたのでは、と不安になる。このあたりの気遣いはまだ必要かもしれない。

PDF:  http://y-f-lab.jp/fukudablog/files/2006machinami_FukudaFinal.pdf
(一般社団法人 大阪府建築士事務所協会 「まちなみ」2020年6月号)