早くも1週間前になりますが、7月23日夜、アラップ(Arup)構造エンジニア 柴田育秀 氏の講演会に参加してきました。タイトルは「トータルデザインのいま」。主催は、安藤忠雄文化財団。中之島公会堂 3階小集会室はさすがに200名満員でした。
まずはアラップ社の紹介から。お話頂いた中で、Ove Arup氏がArup社を立ち上げたのは、51歳で、意外に遅かったのだと知りました。現在は、35か国に、12000名の所員、90の事務所で活動中。東京オフィスは、設立後25年が経ち、80名の所員、4つの部署(Structure Eng., MEP Eng., Facade Eng., P.M.)で運営されています。
次に、柴田氏が関わってきた、いっちばん大きな、そして、小さなプロジェクトの紹介がありました。
- 一番小さなプロジェクト:Ribbon Chapel: 瀬戸内・鞆の浦近くにあるチャペル。床面積 72m2。造形的なスパイラルが印象的。
- 一番大きなプロジェクト:Taiwan Tower: 300mタワー。建築家・藤本壮介 氏と21cのタワーのOriginを目指す。構造-環境の最適化。
そして、アラップの世界中の取り組みとして、
- Material(材料、材質)
- Form(形態)
- Geometry(形状、配置)
- Pavilion(期間限定施設)
- Mobile(移動可能な施設)
- High-rise(高層建築物)
- Sports Theater(スポーツ施設)
- Performance Space(劇場)
- Big Wheel(観覧車)
- Sustainable(持続可能な施設)
- Green(緑、樹木)
- Skylight(トップライト)
- Shading(遮光)
- Digital & IT(デジタルとの融合)
- Zero Carbon(低炭素)
- IT(IT)
- Renovation(再生プロジェクト)
- Sustainable Solution(持続可能な解決策)
- Water(水利用、水浄化)
- Wind(風力発電、風利用)
- Infrastructure(基盤施設)
のカテゴリー別に、イギリス、ドイツ、イタリア、アメリカ、中東、シンガポール、中国、日本などで実施してきた、30以上のプロジェクトが紹介されました。
最後のディスカッションタイムで、未経験の依頼があった時にどう対応するか?という質問に対して、柴田氏が「難しい課題は挑戦する、依頼内容がナンセンスだと感じたら止める」と仰っていたこと、共感した次第です!