ふくだぶろーぐ

福田知弘の公式ブログです。

設計者自身がムービー,VRを作成する時代になってきた.

先週は,Virtual Design World Cup 学生BIM&VRコンテストや,3D・VRシミュレーションコンテスト・オン・クラウドが東京にてありました.
ざっと所感を.

Virtual Design World Cupでは,デザインパネル,ムービー,VRという3種類の提出物が求められました.近年では,一般のコンペにおいても,図面,模型,CGパース,アニメーション,その他といったマルチメディアの提出が必須となってきています.そのため,これらのメディアを駆使することはプレゼンテーションの専門家の協力を仰ぐにせよ,設計者に求められるスキルとなっています.一方で多様化する各メディアをどうスムーズに連携されるかは,ICT上の大きな課題となっています.今回のコンペで実感された方も多いかもしれませんが,デザイン上の修正がどこかで発生すると各メディアに対して修正が必要となります.環境シミュレーションもやり直しになります.そのために,デザイン検討やプレゼンテーション作成プロセスにおいて,各メディアをどうすれば効率的に出力できるのか,といったことの重要性を体感されたかもしれません.

ムービー(Flash)を見た全体的な感想としては,シナリオが良く練られておらず,映像という限られた時間の中で何を伝えたいのが読み解けない作品が多かったように思えました.シナリオ,カメラワーク,効果の与え方など映像作成時の基本的知識の習得や数多くの映画を見て分析することも必要と思われます.参考文献として,
1) 新井一「シナリオの基礎技術」ダヴィッド社, 1985.
2) ジェレミー・ヴィンヤード著,吉田俊太郎訳「傑作から学ぶ 映画技法完全レファレンス」フィルムアート社,2002.

クラウドVRによるプレゼンテーションは実用界でも端緒に就いたばかりでありどのように駆使されているのか期待して見せて頂きました.一つコメントさせて頂くならば,作品を鑑賞・審査するレビューワ(reviewer)としてはVRを観る場合もムービーと同様に,まず最初に,設計者・プレゼンターが何を意図されて作成されたのか説明を受けたい.すなわちスクリプト機能が重要です.その後で,ムービーで表現されていない箇所をレビューする必要があれば(ムービーは設計者の見せたい点だけを見せる傾向にあるから),ウォークスルー等のVRコマンドを用いてレビューすることになります.レビューワに提示するメニューは必要なものを最小限に整理しておく必要があります.この辺りのレビューワの心理も理解して頂ければプレゼンの質はよりグッと高まると感じた次第です.
3) ジェリー・ワイズマン著,グロービス・マネジメント・インスティテュート訳「パワープレゼンテーション」ダイヤモンド社,2004.

実は私も先日,全く別の都市設計コンペティションに参加しました.
〆切まで72時間前という時点でようやくVR作成開始.
若い頃と違い,既に72時間起き続けることは不可能ですので寝る時間帯のデザインも重要になります[:にぱっ:].マラソンと同じくペース配分が重要ですね.
道中本当に終わるのか不安になる訳ですが,まずは不明な問題を解決していき,満点とはいきませんが何とか間に合わせることができました.


■ALGODE2011(2011年11月)