ふくだぶろーぐ

福田知弘の公式ブログです。

八幡の匠の今を知る(後編)。

9月13日・14日に開催される、八幡掘まつり
先日のご案内の通り、大阪大学プロジェクトチーム(工学研究科 環境設計情報学領域)でも「八幡の匠の今を知る」と題し、ものづくり職人との座談会を産官学民で企画しています。
公式サイトはこちら。お問合せ・お申込みは、handaiteam@yahoo.co.jp まで。是非是非ご来場ください。

それでは座談会に登場していただく、ものづくり職人をご紹介。今回は後編「食」をテーマに。


■赤蒟蒻(こんにゃく)。既に江戸時代後期、京都・大阪では近江八幡で作られた八幡蒟蒻が最も良品として賞賛されていたそうである。珍しい赤色の蒟蒻。若かりし頃、はじめてこれを見た時は何だかわからんかった。赤色になった理由は、織田信長が派手好みで赤く染めさせたとか諸説あるそうだが、さてどうやって赤色をつけるのだろうか?

乃利松食品吉井商店・吉井昌之さんとの座談会は9月13日18:00〜19:20、旧吉田邸にて。

■丁字麩(ちょうじふ)。江戸末期の嘉永時代。初代惣吉じいさんは、大八車に麩をのせて若狭・越前・美濃・伊勢・近江と売って歩いてはったんや。ところが当時の麩は棒麩、あぜ道・山道通る間に折れるは折れるは困りはて、思いついた四角い麩。十個束ねて藁しばり、荷くずれもせん、折れもせん。その上味も格別で、こりゃええあんばいとお得意さんも喜ばはった。
さて、この四角い麩の名前、庄屋をしていた惣吉じいさんえらい坊様に知恵をさずかり、丁字の意味の深さを知った。形を表すだけやない。末広がりや模様までまさにこの麩にぴったりと、近江の名麩できたんや。
きめの細かさ、つやの良さ、真似のできないこの丁字ふはお誉めいただき賞もろた(全国製麩品評会優秀賞)。愛され続けた麩惣のおいしい丁字麩食べてみて。

麩惣製造所6代目・加納学さんとの座談会は9月13日18:00〜19:20、カネ吉別邸にて。


■丁稚羊羹。丁稚羊羹の由来は、関西や関東に丁稚奉公に行って若者はやぶ入りに帰郷した時、自分の給金のなかから蒸し羊羹を買い主家への土産にした事から、又は菓子製造用語で捏ね合わせる事を「捏ちる(でっちる)」ということから捏ち羊羹と呼ばれるようになったとか。丁稚羊羹は、「湖魚のなれずし」・「湖魚の佃煮」・「日野菜漬け」・「アメノイオ御飯」と並んで、「滋賀の食文化財」として選ばれている。これは滋賀県無形民俗文化財の一ジャンル。「でっち羊羹」と「うゐろ餅」は、いずれもあっさりとした甘味で最高。研究室では緊迫するゼミの空気を少しでも和らげる茶菓子の地位を最近固めつつある。さて、この素朴なお菓子の作り方とは?

和た与5代目・小川与志和さんとの座談会は9月14日18:00〜20:30、カネ吉別邸にて。


■「八幡の匠の今を知る」公式パンフ(画像をクリック!)。

八幡掘まつり座談会《八幡の匠の今を知る》公式HP
広報おうみはちまん9月号