近江八幡市。
歴史のある古いまちなみ、中でも空き家をどうしていくのか、考える時期にきている。現在は観光客が増えてきているが、まちなかにはやはりモノづくりの場、生活の場が欲しい。フィレンツェも観光で有名だが、通りを一歩入ると工房が並んでいる。工房はモノづくりの場、ビジネスの場だ。
旧市街地の真ん中、仲屋町に西勝酒造(現在は酒游舘)がある。約300年続く老舗の酒蔵だ。
この一角を利用して、八幡酒蔵工房が計画されている。竹細工などのモノづくりを行う芸術工房を目指しており、来月末にはオープンが予定されているプロジェクトだ。
ひょんな縁から、私の学生達(主に4年生)が工房の設計に参加することになった。約1ヶ月の短期決戦。学生達(設計者)は、3次元CADで基本設計案を作成し、工房のメンバーと協議しながら案を具体化していく。そして設計案がある程度決まった後、建築現場で大工さんに内容を伝えて工事を進めていく。工事は現在、最終段階に入ってきた。
工事終盤の時期、学生達は「この1ヶ月はこれまでの人生で最も濃かった。正直しんどかった。でも一番勉強になった期間」と話してくれた。この期間を通じて、現場の苦労をかいま見ながら、その場その場で設計者に求められる判断の難しさを沢山学んだよう(無論まだまだ卵ですが)。情報化社会の時代、若い時にはこういう本気の現場体験が大切なのかもしれない。
■酒游舘入り口。
■現場はじめて見た日。工房へのリニューアルの検討がはじまった。
■基本案がまとまり、現場で施工がはじまる。
■施工の様子。見る見るできあがっていく。
■酒游舘の地図
また、オープンの折にはご紹介しますね!