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明日建築展 (Architecture of Tomorrow) その1。

台湾国立交通大学 建築研究所 劉育東教授に招かれて、劉育東研究室主催の明日建築展(Architecture of Tomorrow)を訪問した。会場は台湾で一番格式が高いといわれている台北市立美術館である。

劉教授によると、台北市立美術館において、建築分野における単独組織の開催は、ル・コルビジェ (Le Corbusier)、ガウディ(Antoni Gaudi' i Cornet) に次ぐものだそう。期待の大きさが伺える。

会場のインテリアもデザインされており、壁の形状は20世紀と21世紀を表している。20世紀とはグリッドプランニングに代表されるような直線形状であり、21世紀は滑らかなカーブ曲線形状、そしてその間には折り重なるfolding線形状がデザインされている。3DCAD (3-Dimensional Computer Aided Design) /CAM (Computer Aided Manufacturing) による制作という。

展示テーマとしては、下記7つ。今日から3回に分けて紹介しよう。
・明日虚擬空間 Virtual Space of Tomorrow
・明日歴史空間 Historical Space of Tomorrow
・明日芸術空間 Artistic Space of Tomorrow
・明日伝統空間 Traditional Space of Tomorrow
・明日知恵空間 Intelligence Space of Tomorrow
・明日無線空間 Wireless Space of Tomorrow
・明日網際空間 Cyberspace of Tomorrow

■会場は美術館3階。正面がメイン展示の「明日芸術空間」。右がエントランスで「明日虚擬空間」「明日歴史空間」と続く。左側が「明日伝統空間」「明日知恵空間」「明日無線空間」。「明日網際空間」は会場全体が対象となっている。

■受付で、webカメラで写真撮影すると共に、首からかけるタグを受け取る。会場全体に張り巡らされた「明日網際空間」で使用するアイテムだ。

■明日虚擬空間 (Virtual Space of Tomorrow)
安藤忠雄氏が設計に携わる交通大学建築学院棟+美術館プロジェクトを通じて表現手法をテーマとしている。展示空間は、foldingライン形状の壁を活かして、模型設置スペースを作り出している。
建築の表現手法として、図面、実体の模型、完成した実体空間に加え、大画面・立体視によるバーチャル空間を紹介している。以前支援させていただいた、サイバードームプレゼンテーションも発想のヒントとなったようだ(日経アーキテクチャ2004年2月23日号p.7)。
施設自体はまだ計画途上にあるが、VR(Virtual Reality)による仮想世界では既に完成している。日本でも実物大スケールで体験できるVRコンテンツが多数制作されているが、特に大画面では、デザインスタディのための表現クオリティの低いコンテンツでは物足りなく感じられ、「作品」としてディテールや日影表現までの完成度が求められる。
また、「作品」レベルで体験できてしまうと、実際に建築しなくてもいいのでは?と、ふと考えてしまう。何がリアルか?と考えることができる程、VRコンテンツは現実感があふれてきた。ただ、実際に建築しないとなると地球環境にとっては優しいのだろうけど、経済的には縮小しちゃうので受容されにくいのだろう。

■展覧会の詳細
・テーマ:「明日の建築〜実体、虚構、相互作用、空間展」"Architecture of Tomorrow Exhibition: Physical, Virtual, Interactive, Space"
・場所:台北市立美術館
・期間:2007年2月14日〜4月22日


■明日建築展公式HP


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