ふくだぶろーぐ

福田知弘(大阪大学 大学院工学研究科 環境・エネルギー工学専攻)のオフィシャルブログです。

ブータン。

ブータンという国をご存知でしょうか。
ヒマラヤ山脈の東端にある仏教王国。近代に至るまで鎖国に近い政策をとっており、インドをはじめとする他国の文化の影響を殆ど受けてこなかった。2005年に初めて国勢調査が行われ人口は67万人。国土は東西300km、南北150km。面積は九州より少し大きいほどだ。緯度は沖縄位。南は海抜200m程度だが、北は7,000m級のヒマラヤ山脈を有した高低差の大きい国である。また、インドと中国という大国に挟まれている。

ブータンは1976年のある国際会議で述べられた、当時まだ21歳だったジグメ・シンゲ・ワンチュク国王のスローガン、「GNP(Gross National Product=国民総生産)ではなく、GNH(Gross National Happiness=国民総幸福量)」を国策としている。これはお金やモノなどの物質的な豊かさよりも精神的な豊かさ、伝統的な社会・文化、自然環境などのほうが大切だという意味。国にとって大切なことは経済成長を続ける発展ではなく、国民自身がそれぞれ「幸せ」だと感じることなのだ、と一国のリーダーが世界に宣言し実践しようとしている。
2005年の国勢調査で「あなたは幸せですか?」の質問に対し、「とても幸せ」或いは「幸せ」と答えた国民は全体の97%に上ったそうだ。
国王は、Time誌5月8日号「The lives and ideas of the world's most influential people」の一人にも選ばれている。

■風にはためくダルシン(経文旗)。「ダル」は旗、「シン」は木の竿を意味している。ブータンの家の前や丘の上など至る所で見かけブータンの信仰と景観の象徴ともいうべき装置だ。

■自給自足の農業生活。山のかなり高い位置にも家がぽつぽつある。日本の村のように集まって住む形態ではなく、個々の家が独立的に住む形をとっている。先祖代々この土地に住み、家の前には段々畑を作る。山の麓からの荷物の運搬には馬を使い、1週間に1度程度下界に下りてくるそうだ。個人は土地を17エーカー(6.8ha)まで所有することができる。写真はホブジカからワンデュ・ポダンの途中で。

■ドマ(ビンロウ)。ブータン人は、パネ(キンマ)という葉に包み好んで食べるという。よく道端に食べかすの赤い汁が落ちているのを見かける。

ブータン唯一の空港、パロ(Paro)国際空港。2004年にエアバス319(114席)が就航したことで輸送力がアップした。それでも1便/日だ。

■ブータン国勢調査結果(リンクページ右側「Complete PHCB fact shreet」をクリック)
■GNHを研究するブータンの研究機関、CBS(Cntre for Bhutan Studies)

■GoogleMap(Paro International Airport)
■GoogleEarth(Paro)
※GoogleEarthのインストールが先に必要です。

※GNP:一国における一定期間の経済活動規模を貨幣価値であらわした指標の一つで、生産される場所に関わらず、その国の国民が生産した財やサービスの価値額を合計したもの。日本は世界第2位。