ふくだぶろーぐ

福田知弘の公式ブログです。

【募集案内 5/10〆】建築・都市分野のXRワークショップ

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Society 5.0(超スマート社会)の到来を背景として、XR(VR/AR/MR(人工/拡張/複合現実)の総称)が多方面で活用されています。XRは、直感的でわかりやすく、インタラクティブな操作が可能であり、環境・建築・都市・土木分野においてもコミュニケーション、遠隔操作、デザイン検討のツールとして期待されています。例えば、AR/MRを使えば、建設予定地で実物大での事前検討が可能となります(その内容を静止画/動画キャプチャして、フォトモンタージュ、動画作成するなどの再利用性も可能です)。当方の研究チームでは、建築都市分野のXR研究を続けておりますが、ここ最近、市販に流通しているソフトウェア(開発キット)を組み合わせて、VRだけでなくARでも手軽さ・低価格を含めて、実用化が可能になってきたと認識しています。

そこで、 ARシステム構築のためのワークショップを計画しました。ワークショップを行う背景として、インターネットには多くの情報があるものの、新たなシステム構築をやりだす「とっかかり」と、システム構築のための「環境構築(各ソフトのバージョンの相性やデータの受け渡しを含む)」で二の足を踏んでしまうことが多いようです。また、ビデオチュートリアルも出ていますが、インターネット上のチュートリアルでは得られない「顔の見える関係」がより重要になってきましたので、一堂に会するワークショップが必要ではないか、と考えた次第です。

VR/AR経験者ではないが前向きに参加してみたい」「Mac持参がベストと書かれているものの自前PCはWindowsしかない。が、是非参加してみたい」「ARよりも前にVRをやってみたい」方もOKです。基本的な考え方として、参加者ご自身のPCで日頃のニーズに合わせてXRを構築して頂き、その成果を参加者で共有しつつ、日常の職場でご活用いただきたいと考えています。

 

日時と会場(趣旨に基づき、全てご参加頂ける方を優先します)
日時:2019年5月18日(土)10:00-11:00 インストール作業(必要な方のみ)

      同      11:00-18:00 ワークショップ

      同      18:30-20:30 懇親会

会場大阪大学 吹田キャンパス内

参加者の準備物
※以下、事前にOSアップグレード、ソフトのインストールの上、ご持参ください。当日、10時から会場でもインストール作業できますが、UnityやXcodeのインストール、MacOSのアップグレードは時間を要するのでご注意ください。

ハード

  • Mac:開発用PCとして必須。OS: High Sierra バージョン10.13.6以降(10.14など)。※ WindowsでもOK。但し、ARKitでの開発はできません。
  • iPad / iPhone:AR体験用端末として必須。ARKit対応のもの(iOS12以降(動作確認: iOS 12.1.4))。
  • Mac-iPad/iPhone接続用ケーブル
  • Mac-プロジェクターHDMI, D-Sub15ピン)接続用アダプタ(あれば。プレゼン用)

ソフト

  • Unity:開発用ゲームエンジン。必須。バージョン: 2017.4以降(2018系が望ましい(動作確認済みver. 2018.1.0f2を推奨)。インストールの際、iOS build supportにチェックを入れる。)
  • ARKit:必須。バージョン: 2.0
  • Xcode:必須。ver. 10.0以降。MacOSは上記指定の「High Sierra バージョン10.13.6」以降でないと、Xcode 10.0以降がインストールできない。
  • Apple ID(パスワードもお忘れなく)
  • 3Dモデル(建築・都市設計モデルなどをSketchUPなどで。なければ立方体で)

スケジュール

  • 10:00-11:00 インストール作業(必要な方のみ)
  • 11:00-11:20 開始、参加者自己紹介
  • 11:20-13:00 Unity+ARKit チュートリアル
  • 13:00-14:00 昼食
  • 14:00-17:30 作品制作
  • 17:30-18:00 最終プレゼンテーション
  • 18:30-20:30 懇親会

会費

  • 無料(懇親会は有料)

対象者

  • 前向きな実務者(建築・都市分野の設計者、デザイナー、プランナー、ゼネコン、メーカー、SEなど)、研究者、教員、学生など

お申込

fukuda[AT]see.eng.osaka-u.ac.jp 

宛([AT]->@に置き換えてください)、「氏名」「所属」「ワークショップ参加動機(簡単で結構です)」と共にご連絡ください。5/10一杯迄とさせて頂きます。

申込受付後、折り返し、詳細をご案内します。満席になり次第、〆切前に受付終了とさせて頂く場合がございます。

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■2019年4月に香港中文大学で開催したVRワークショップ。香港中文大学と墺・グラーツ工科大学80名の学生さんを対象に、ゲームエンジンのインストールから始めて、BIM/CADモデルをVR空間上に表示させるところまで、1日半で実施しました。各学生が持ち込みのPC=WindowsMacでできたことがお土産として大きいように思います。

都市とITとが出合うところ 第61回 デジタルサイネージ (2)

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令和の時代がはじまりました。引き続き、どうぞよろしくお願いします。「都市とITとが出合うところ」第61回は前回に引き続き「デジタルサイネージ (2)」です。

 

デジタルサイネージの屋外設置

屋外に設置する電子看板デジタルサイネージ)は、建築物や都市空間の賑わい形成や魅力向上、新たな表現手段として期待されている。その一方で、光源として使われるLEDの高輝度化、ディスプレイの大型化や高解像度化、さらに、設置される数が増えてくると、人間や都市景観への影響が懸念されてくる。

先月号「デジタルサイネージ (1)」で紹介した実験内容は、ディスプレイの背景がほぼ真っ暗の状態でディスプレイの輝度(無彩色)を変化させた時のまぶしさ、不快さを定量化したものである。そのため、あらゆるコンテンツや都市環境下においてそのまま適用できるわけではないものの、得られた結果はあやふやな経験則よりも役に立つであろう。一方、実際にデジタルサイネージの設置基準を数字のみで決めてしまうと、数字だけがひとり歩きしてしまい、単に数字のみ守ればよい、となりがちである。もともとの精神は何なのか、何が大切なことなのか、定量化が難しいコンテンツの評価を含めて、総合的に考える必要がある。

大阪市デジタルサイネージ等取扱要綱

大阪市では、大阪市景観計画に定める重点届出区域におけるデジタルサイネージ等取扱要綱を制定している1)。これは、デジタルサイネージ設置協議対象地区(大阪駅周辺、難波駅周辺の重点届出区域)でデジタルサイネージを設置する際に、事前審査する制度であり、LEDの輝度値だけでなく、コンテンツの質を含めて、総合的に評価しようというものである。筆者は、委員会のメンバーとして関わった。主なポイントを記す。

  • 設置地区:デジタルサイネージ設置協議対象地区かどうか。
  • 設置の前提条件:にぎわいの形成やまちの魅力向上につながるデザイン性の高いものであること。中層部に設置する場合には、地域独自の基準や協議体制を設けていること。
  • 設置期間:a)常時設置するのか、一定の期間設置するのか(要綱では以上を「デジタルサイネージ」と定義)、あるいは、b)イベント等の実施期間のみ一時的に設置するのか(要綱ではこれを「一時広告物」と定義)。
  • 設置位置:建築物の低層部なのか、中層部なのか。
  • 大きさ:設置位置と視点場との関係や周辺への影響を考慮して最大面積を設けている。多くの歩行者が地上面を歩く場合、低層部のディスプレイは間近で眺める可能性が高くまぶしさや不快さの影響が出やすい。中層部のサイネージは眺望できる範囲が広くなる。
  • 周辺への影響:a)色彩はまちなみを阻害していないか。補色や彩度差の大きい色の組み合わせを使用せず、類似色や中間色など、落ち着いた色を推奨している。b)コンテンツは、まぶしすぎない明るさ(輝度)か。特に夜間。c)不快感を与えないような、ゆるやかな表示速度や繰り返し回数か(画像と画像を切り替える際のトランジッションを含む)。d)不快感を与えないような音量や音色か。
  • コンテンツ:a)デザイン性の高いものであるか。例えば、ニュースや災害時の避難情報等を除いて、原則、文字のみの広告物は認めていない。b)広告媒体のみならず、都市の利便性や安全性を高める情報やまちの魅力を向上させるエリアマネジメントの情報等を提供しているか(割合として1/4以上)。c)公序良俗に反していないか。d)見る人に不快感や不安感を与えないものであるか、など。

デジタルサイネージのコンテンツは常に変わっていく。そのため、設置後の運用状況を年度末に確認し、必要に応じて事業者にアドバイスしながらデザイン調整、デザイン誘導を行っている。

参考文献

大阪市:重点届出区域におけるデジタルサイネージ等取扱要綱(2019年4月1日参照)

www.city.osaka.lg.jp

PDF: http://y-f-lab.jp/fukudablog/files/1905machinami_FukudaFinal.pdf

(一般社団法人 大阪府建築士事務所協会 「まちなみ」2019年5月号)

CAADRIA2019 @ ウェリントンに参加しました。

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4月中旬、CAADRIA 2019 (24th Annual Conference of the Association for Computer-Aided Architectural Design Research in Asia) に参加してきました。24回目を迎えた今年は、ニュージーランドウェリントンにある、ヴィクトリア大学ウェリントンで開催されました。

CAADRIA (Computer Aided Architectural Design Research In Asia) は、アジア・オセアニア地域を対象とした建築・都市のコンピュータ設計に関する学会であり1996年に設立されました。年に一度、国際会議が開催され、研究者・実務者・学生らが全世界から集まります。近年は、建築・都市とコンピュータが対象とする応用範囲はBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)、Digital Fabrication(デジタル・ファブリケーション)、Generative Design(ジェネレーティブ・デザイン)、VR/AR/MR(人工現実、拡張現実、複合現実)、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、スマートシティなど拡がりをみせています。そのため、CAADRIAに投稿される論文の分野は拡がりをみせ、投稿数は急増している状況にあります。

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CAADRIA 2019の開催に向けて、論文審査委員を仰せつかりました。昨年度は、論文審査委員長を務めたので、その引継ぎを兼ねて、となりました。
論文募集テーマ Intelligent & Informed

セッションテーマ

  • Digital Fabrication & Construction
  • Generative, Algorithmic & Evolutionary Design/Techniques
  • Simulation & Analysis
  • Virtual/Augmented/Mixed/Interactive-Environments
  • Building/City/Region Information Modelling/Management
  • Smart Buildings/Cities/Regions
  • Design Cognition
  • Theory, Philosophy & Methodology
  • Practice & Interdisciplinary
  • Computational Design Education/Conversation
  • Human-Computer Interaction
  • Collaborative & Collective Design
  • Artificial Intelligence & Machine Learning

研究室の発表リストは下記です。

Proceedingsの全論文は以下よりアクセス可能です。Abstractの投稿が668編と過去最高、最終的に掲載されたのが162編と、ハイレベルな競争となりました。

Cumincad : CUMINCAD Papers : Search Results (CAADRIA 2019)

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私事で恐縮ですが、CAADRIA学会よりフェローの称号を賜わりました。表彰式は、CAADRIA 2019にて行われました。これまでの皆さまのご協力とご支援に感謝申し上げます。Victoria University of Wellington・Marc Aurel Schnabel 先生も同じく授与されました。CAADRIA学会を、引き続き盛り上げていきたく、どうぞよろしくお願いします。

環エネTopics (大阪大学 大学院工学研究科/工学部 環境・エネルギー工学専攻/環境・エネルギー工学科)

www.see.eng.osaka-u.ac.jp

トピックス大阪大学 大学院工学研究科/工学部) 

www.eng.osaka-u.ac.jp

 

Social Media

Web CAADRIA - The Association of Computer-Aided Architectural Design Research in Asia

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都市と建築のブログ Vol.45 アンコール・ワット:見立て up!

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アンコール・ワット中央祠堂の脇にそびえる祠堂

5月1日から施行される新たな年号が「令和」となりましたね。同じく、平成31年度がはじまり、新たな気持ち^2でどうぞよろしくお願いします。

都市と建築のブログ 第45回目(2019年4月号)はカンボジア アンコール・ワットをご紹介します。

NAVERまとめにも都市と建築のブログの過去記事をアーカイブしています。

matome.naver.jp

■都市と建築のブログ バックナンバー

都市とITとが出合うところ 第60回 デジタルサイネージ (1)

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図1. LEDデジタルサイネージ心理的影響実験:(a) 渋谷昼景,(b)大阪夜景,(c)実験装置, (d)LEDディスプレイ,(e)実験平面図,(f)まぶしさ量反応曲線,(g)不快さ量反応曲線

ビルファサードへの電子機器の組み込み

近年、ビルのファサード(建物の正面部分)には、電子機器が組み込まれるものが見られ、さらにそれらがネットワーク化されているものも増えてきた。デジタルサイネージはそのひとつであり、時間や場所に応じて適切なコンテンツを配信できる可変性、双方向機能による効果的な情報提供が可能であることから、ビルや都市空間の新たな表現方法や役割として期待されている(図1(a))。一方で、人間や周辺環境への影響などを検討しておく必要がある。

デジタルサイネージ

デジタルサイネージの定義は様々であるが、(一社)デジタルサイネージコンソーシアムは「屋外・店頭・公共空間・交通機関など、あらゆる場所で、ディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するメディアの総称」と定義している1)。一方、文献2)では、広告効果と景観を調和させるための法的環境に関して調査するために、「広告や販売促進、プロモーション或いは公的なものを含めた情報提供に関するものに限定」してデジタルサイネージを定義している。本稿では、後者の定義を採用する。

デジタルサイネージは、従来の印刷による看板や案内板に代わる新しいメディアとして、平常時の広告・案内等の利用に加えて、災害時の情報伝達手段としても期待されている。その外観は、矩形の平面形状が大多数であるが、ロンドンのピカデリーサーカスには曲面状のサイネージが設置されており3)、ニューヨークのタイムズスクエアには3次元ロボットによる動くサイネージが設置されている4)。年月が進むにつれて、大型化、高解像度化する傾向にある。

LEDディスプレイの眩しさ、不快さ

デジタルサイネージを屋外に設置する場合、LEDディスプレイが光源として採用されることが多い。LEDディスプレイは、フルカラーを表示できるLED(発光ダイオード)が高密度に集まることで、一つの面となり、文字、静止画、動画を表示できる。LEDは、長寿命、省エネルギー性に加えて、高輝度の光源であり太陽光のような強い外光が当たる場所でも、視認性が確保できる。

一方、LEDディスプレイのデジタルサイネージ(以下、LEDデジタルサイネージ)が普及していくと、高輝度ゆえんの光害など、夜間景観への影響が懸念される。例えば、大阪市内での現地調査では、5000 cd m-2のLEDデジタルサイネージが存在していた(図1(b))。LEDデジタルサイネージは光の指向性が強く、人が直接眺めるものであるから、グレアによりまぶしさや不快感などの悪影響が予想される。

LEDディスプレイの心理的影響実験

そこで、人がLEDディスプレイを眺めた際の心理的影響を明らかにするための印象評価実験を行った5)。概要は、以下の通りである。

  • LEDディスプレイ(3000 mm × 5400 mm)を部屋の壁に設置してデジタルサイネージによる光環境を構築した(図1(c)(d))。
  • LEDディスプレイに提示する映像刺激として、無彩色の光源色で16、32、64、128、256、512、768、1024、1536、2048 cd m-2の10段階の光源輝度をそれぞれ10秒間表示する映像を作成した。
  • 被験者の視認距離として、水平静視野の飽和角である60°(結果、被験者—ディスプレイ距離:4mとなる)と、その半分となる30°(同:10m)の2つの条件を設定した(図1(e))。
  • LEDディスプレイの背景は、反射光による輝度が若干存在するものの、ほぼ真っ暗である。LEDディスプレイと背景との輝度の対比は大きく、夜間の住宅地のような環境が想定できる。
  • 20代から60代までの全年齢層,ならびに男女の性別を網羅した52名が被験者として参加した。まぶしさと不快さに対する7段階評価により実施した。

実験結果では、例えば1000 cd m-2 でみると、視認距離 4 mで 5 割の人々がまぶしいと感じ、3 割の人々が不快だと感じる結果が得られた。視認距離 10 mで 2割の人々がまぶしいと感じ、1.5 割の人々が不快だと感じる結果が得られた(図1(f)(g))。

参考文献

  1. (一社)デジタルサイネージコンソーシアム:https://www.digital-signage.jp/about/
  2. (社)日本機械工業連合会・(財)デジタルコンテンツ協会:平成22年度景観と調和したデジタルサイネージに関する調査研究報告書,2011.
  3. The New Piccadilly Lights: https://piccadillylights.co.uk/
  4. 3D Coke Sign in Times Square https://vimeo.com/229199452
  5. 福田知弘,松井孝典,長町志穂: デジタルサイネージ景観向上のための光源輝度を指標としたLEDディスプレイの心理的影響評価,日本建築学会東海支部研究報告書,第53号,321-324,

※URLはいずれも2019年3月2日に参照した。

PDF: http://y-f-lab.jp/fukudablog/files/1904machinami_FukudaFinal.pdf

一般社団法人 大阪府建築士事務所協会 「まちなみ」2019年4月号)

日本建築学会 情報シンポ 2018 の動画を公開しました。

日本建築学会 情報シンポ 2018 の動画を公開しました。

情報シンポ2018の会場でお話し頂いた内容全て公開することは至りませんが(その意味ではやはり会場で聞いて頂くのがベストですね)、当日お越しになれなかった方、建築情報分野ってどんなんだろう?と思われている方、是非ご覧ください!

★01-オープニングセッションー倉田成人(筑波技術大学

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★02-「AI・ロボティックス:環境計画としてのロボットデザイン」ー松井 龍哉 氏

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★03-「AI・ロボティックス:ダイアログ」ー山田 誠二 氏、松井 龍哉 氏、藤村 龍至 氏

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★04-クロージングセッションー福田知弘(大阪大学

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次年度より2年間の情報シンポの主査を引き続き仰せつかることになりました。2019情報シンポは、12/12-13です。まだまだ盛り上げて、国内外の皆さまを迎えたいです。引き続き、どうぞよろしくお願いします。

また、建築学会・情報システム技術委員会の小委員会のひとつとして、建築・都市VR・MR小委員会を立ち上げ、4月より活動を開始することになりました。日頃の研究活動に加え、全国大会での研究協議会(9/3-6)などを企画していきます。リクエストなどございましたら、是非お願いします。

都市とITとが出合うところ 第59回 VRサマーワークショップ イン ウェリントン (2)

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VRサマーワークショップ イン ウェリントン

VRワークショップ DAY1

ビクトリア大学ウェリントン テアロキャンパスでは、進行役の小林佳弘氏(アリゾナ州立大学)より、今回のワークショップ・テーマ「ペチャクチャ・ナイト」が披露された。これは、48時間で新たなVRシステムに関するアイデアをまとめ、その一部をシステム開発し、プレゼンテーションするものである。このアイディアソン+ハッカソンの進め方は昨年とほぼ同じであるが、プレゼンテーションで用意するスライドは20枚厳守で、各スライドは20秒で話すことというルールが加わった(20秒で自動的に次のスライドへ。持ち時間は400秒=6分40秒)。

アイディアソンでは、トレーシングペーパーがメンバーに配られ、新たなVRプロジェクトの提案内容を書きこんでいく。そして壁に貼り出して、アイデアを順に発表していく。他のメンバーや㈱フォーラムエイト開発スタッフが質問や改良案を出しあい、ブラッシュアップしていく。

DAY2―3

DAY2の朝には共通の開発テーマとなりそうな提案を結び付けて、以下のような6チームとなった。

チーム毎に、開発プロジェクトが本格スタートした。途中、ウェタ・デジタル社 Kevin Romond氏が「A Look Inside Weta Digital: Technology in the Service of Storytelling」と題して、オークランド大学 Uwe Rieger氏が「Architecture per Second」と題してそれぞれ基調講演した。

ウェリントンは、映画産業の都と呼ばれ、世界有数の映画技術と才能が集結している。中でも、ウェタ社はニュージーランドの若き映画制作者たちが1993年に立ち上げた企業である。Romond氏の講演では、映画「アバター」「キングコング」などウェタ・デジタルが手がけた映画のデジタル処理技術を中心に解説がなされた。

DAY3夕方からは、ウェリントン郊外のSchnabel邸に移動して最終プレゼンテーションが行われた。Schnabel氏の手料理と段取りの凄さには脱帽した。これぞ、ベスト・プレゼンテーションと呼べるかもしれない。庭で眺めた南十字星は一生の思い出になりそうだ。

DAY4

朝からテクニカルツアーへ。まず、ウェタ社のスタジオ・ツアーに参加。映画で使われたパーツやフィギュアの実物(これぞVR!?)を目の当たりにした。その後、ビクトリア大学ウェリントン ミラマー・クリエイティブ・センターを訪問。最新のモバイル型VRシステムやスタジオが整備されている。

国会議事堂の閣僚執務棟はハチの巣と呼ばれる外観。前面の広場には、イギリス連邦王国16ケ国の国旗が並ぶ。旧セント・ポール教会はウェリントンで最初に作られた英国国教会の大聖堂。1866年に建造されたゴシックスタイルの木造教会で、ステンドグラスが印象的であった。

帰りの機内でウェタ・デジタルの代表作「アバター」を改めて観たことは言うまでもない。

PDF: http://y-f-lab.jp/fukudablog/files/1903machinami_FukudaFinal.pdf

一般社団法人 大阪府建築士事務所協会 「まちなみ」2019年3月号)

CFP: Special Issue "Computer-Aided Architectural Design" (Technologies ISSN 2227-7080; ESCI-WoS)

Technologiesという学術雑誌の特集号 "Computer-Aided Architectural Design"にて論文を募集することになりました。Full paperの〆切は9月30日ですが、Acceptされた論文は順に掲載されます。ご検討の程、どうぞよろしくお願いします。
 
Call for Papers
"Computer-Aided Architectural Design
A special issue of Technologies (ISSN 2227-7080).
Deadline for manuscript submissions: 30 September 2019 (Accepted papers will be published continuously in the journal (as soon as accepted))  
ESCI-WoS (Emerging Sources Citation Index in the Web of Science Core Collection) 

Flyer (PDF)

 
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Dear Colleagues,
 
Computer-aided architectural design (CAAD) has evolved over the last decade due to environmental changes and rapid technological advancement. Since the so-called “super-smart society” is going to become a reality in the near future, CAAD is currently exploring its expanded new roles and approaches, such as generative design, additive manufacturing, smart buildings and cities, seamless simulations for evidence-based design, intuitive and interactive visualization for participatory design, digital twin, telepresence, robotic process automation, and digital conservation, in addition to the further upgraded architectural design and communication medium, which were its original major roles. CAAD also covers impact, transformation, and education for architects, designers, engineers, and citizens in the future architecture and building fields.
In this Special Issue, we seek contributions in the field of CAAD in a broad sense. CAAD covers interdisciplinary fields which include natural science, arts and humanities, and social science. We invite your submissions related to but not limited to the keywords below.
If you are not sure if your paper fits the focus of this Special Issue, please contact the Guest Editor.
 
Assoc. Prof. Dr. Tomohiro Fukuda
Assoc. Prof. Dr. Taro Narahara 
Guest Editors
 
Manuscript Submission Information
Manuscripts should be submitted online at www.mdpi.com by registering (https://susy.mdpi.com/user/register) and logging in to this website (https://susy.mdpi.com/user/login). Once you are registered, click here to go to the submission form (https://susy.mdpi.com/). Manuscripts can be submitted until the deadline. All papers will be peer-reviewed. Accepted papers will be published continuously in the journal (as soon as accepted) and will be listed together on the special issue website. Research articles, review articles as well as short communications are invited. For planned papers, a title and short abstract (about 100 words) can be sent to the Editorial Office for the announcement on this website.
 
Submitted manuscripts should not have been published previously, nor be under consideration for publication elsewhere (except conference proceedings papers). All manuscripts are thoroughly refereed through a single-blind peer-review process. A guide for authors and other relevant information for submission of manuscripts is available on the Instructions for Authors page. Technologies is an international peer-reviewed open access quarterly journal published by MDPI.
 
Please visit the Instructions for Authors (https://www.mdpi.com/journal/technologies/instructions) page before submitting a manuscript. The Article Processing Charge (APC)(https://www.mdpi.com/about/apc) for publication in this open access (https://www.mdpi.com/about/openaccess) journal is 350 CHF (Swiss Francs). Submitted papers should be well formatted and use good English. The authors may use MDPI's English editing service (https://www.mdpi.com/authors/english) prior to publication or during author revisions.
 
Keywords
- Artificial intelligence and machine learning
- Smart buildings, smart cities
- Virtual, augmented, and mixed reality (VR/AR/MR)
- Digital fabrication and robotics
- Telepresence, collaborative design
- Digital twin
- Generative, algorithmic, and parametric design
- Internet of Things (IoT), Big Data
- Performance-based design
- Interactive and responsive design/environments
- Human-computer interaction
- Computational design education
- Digital conservation, digital heritage
- Building information modeling (BIM)
- Modeling, simulation, and analysis
- Laser scanning, photogrammetry, structure from motion (SfM), point clouds

OU-EXPLORER【i-Constructionプロジェクト】募集案内です。

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大阪大学では産学共創プロジェクトが沢山走っています。下記はそのひとつで、関西テレビ放送様と株式会社エアロジーラボ様(ドローンのベンチャー企業)より産学共創本部に提案があり、縁あって、スーパーバイザを務めさせて頂くことになりました。

企業・行政と個別研究者・研究室との共同研究はよく行われていますが、OU-EXPLORERはまず大学全体として受け、相応しい研究者が指名され、全学から学生を募集して進めるプロジェクトです。

対象は全阪大生の有志、アルバイト料を受け取りながらプロジェクトに参加することができます。

基本的に学生チームが主導で活動をして(企業のニーズを受け止めつつ)、必要に応じて私がアドバイスさせて頂く進め方を想定しています。

参加したい学生さんは、下記の要領に従い、応募をお願いします。現時点のスキルに関わらず、このプロジェクトを通じて成長したい方に参加して頂ければ幸いです。興味を持っていそうな阪大生に声掛けをして頂いても構いません。

また今後、このようなプロジェクトをやってみたい企業の皆さまはご相談頂ければ幸いです。

どうぞよろしくお願いします。

***
共創人材育成部門では「OU-EXPLORER」という取組みを実施しております。これは、若手研究者・大学院生からなるチームが、新規テーマ開拓を考えるクライアント(企業等)の依頼をもとに、関連する研究成果および研究者を領域横断的に探索し、クライアントを交えたディスカッションを経て報告書を提示する取組みです。別の言い方をすれば、大学にいながらにして企業の研究活動に参画できる「インターンシップ・オン・キャンパス」です。

詳しくは上記の資料および、
http://www.uic.osaka-u.ac.jp/target/company/co-creation/
も合わせてご覧頂ければ幸いです。

今般、在阪テレビ局および関連ベンチャー企業から「安全で生産性の高い土木建設システムの構築に関する研究」というテーマが提示されました。詳細につきましては、添付の課題概要書をご覧下さい。

募集要項は下記になります。奮ってご応募下さい!

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□業務内容
・文献/Web調査、有識者ヒアリング(5名程度)
・内リーダー業務(1名)

□勤務時間
・プロジェクト期間は3ヶ月程度(2019年3月~2019年5月予定)
・4~6時間/週(各自の都合のつく時間に勤務して下さい)
・キックオフ、中間報告、最終報告はチームメンバーが一同に会して実施します
・週1回、1時間程度のミーティングを実施する場合もあります

□報酬(規定額)
 時給950円
※交通費等発生する場合は大学規程に従って支給します

□応募締め切り
2月20日 必着(充足し次第締め切る場合があります)

□応募方法
簡単な研究概要(A4一枚程度)を添付の上、以下の①~③をメールに記載し、ou-e@uic.osaka-u.ac.jpまでお送りください。
①氏名
②所属研究科、研究室
③学年

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追記

学生さんから早速質問があったので共有しておきます(事務局と確認済み)。

Q1.「簡単な研究概要(A4一枚程度)」とは今回のプロジェクトテーマ「安全で生産性の高い土木建設システムの構築に関する研究」に合致した内容であるべきか?

A1. 簡単な研究内容とは、
「今回のプロジェクトに必ずしも合致した内容でなくても、応募される学生さんがこれまでに実施してきた内容で結構です」とのことです。また、「特に、込入った内容でなくても構わない」とのことです。
これを受けての私のコメントですが、
できれば、プロジェクトに関連付けて書いた方が良いでしょうが、関連付けられなければ無理する必要はないですし、これまで取り組まれた経験(演習等)の内容を書かれると良いかと思います。
よろしくお願いします。

Q2. 全員が出席する会議などはどのくらいのペースで行われるのか?土日がメインになるのか?

A2. 以下となります。

■キックオフミーティング、中間報告、最終報告 → 基本的に全員が揃う日を調整(最悪欠席も止む無し)
■毎週の定例ミーティング → キックオフミーティングの際に学生全員が参加可能な日時を決定(突発的な事情で欠席は止む無し)
■それ以外の活動時間 → 各自で自由になる時間を充てる

Q3. 仕事の進め方について(Q2. と関連)

1.原則週1回1時間程度、場所は吹田キャンパスのどこか(テクノアライアンス棟の可能性大)で学生メンバー+事務局で定例ミーティングをします。内容は先週の活動状況の共有と次週の活動方針の確認です。

2.上記以外に週4時間の調査活動(Web、文献、ヒアリング等)およびレポート作成(パワポ2~4枚程度)をご自分が自由になる時間・場所を使ってやって頂きます。

 勤怠管理方法は1の際にテクノアライアンス棟2階の出勤簿にサインして頂くのと、2の始業・終業時に事務局あてメールで通知頂く手法を採ります。

都市と建築のブログ Vol.44 ウッチ:文化観光都市へ up!

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初日の出 平成31年元旦

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eCAADe2018 ウェルカムパーティはユニーク・ベニュー(Unique Venue)での開催。大好きなショパンを演奏してくれました

新年明けましておめでとうございます!2019年もどうぞよろしくお願いします。

都市と建築のブログ 第44回目(2019年1月号)はポーランド・ウッチをご紹介します。19世紀、それまでの小さな町から繊維産業の工業都市として急速に発展し、ポーランドマンチェスターと呼ばれたウッチ。昨秋、eCAADe2018 国際学会の開催都市となりました。

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